身長2メートル21センチ、体重225キロの体格を実物大で再現した初代横綱明石(あかし)志賀之助(しがのすけ)の石像。カッと見開いた目は、それだけで相手を土俵際に追い込めそうな迫力に満ちている。
生没年は不明だが、江戸時代に活躍した宇都宮出身の力士で、最強の称号である「日下開山(ひのしたかいざん)」を与えられたとされる。日本相撲協会が初代横綱と認定した。
協会が保管していた錦絵を基に「歴史文化を伝承する市民の会」が2007年、石像を建立し、宇都宮市の蒲生(がもう)神社に奉納した。
葭田孝(よしだたかし)宮司(79)によると、石像は遠足で訪れる小学生に大人気。「おなかを触ったり背比べをしたり、石像の前にある手形に自分の手を合わせたりして楽しんでいますよ」。その気持ちはよく分かる。
石像の隣にある細長い石碑はもっと古く、1900年に12代横綱陣幕久五郎(じんまくきゅうごろう)が建てた明石の顕彰碑。51年に宇都宮城跡(現・宇都宮城址(じょうし)公園)から神社に移設された。
神社が祭る蒲生(がもう)君平(くんぺい)は江戸後期の学者で、文武両道の達人と敬われた。26年に27代横綱栃木山守也(とちぎやまもりや)が大鳥居を奉納。相撲と縁のある神社となった。
【メモ】 蒲生神社は宇都宮市塙田5の1の19。八幡山公園に隣接。(問)028.622.4852(木曜は不在)。