西九州新幹線 大阪、博多で大規模PR 長崎の「食」イベントや動画放映

JR大阪駅構内に設置予定のフォトスポットのイメージ図(県提供)

 官民一体で取り組む「長崎県新幹線開業効果拡大推進本部会議」(本部長・大石賢吾知事)の会合が30日、長崎市内であり、県は9月23日の西九州新幹線の開業に合わせた県外向けプロモーションの詳細を説明した。8月にJR大阪駅全体を使った大規模PRを展開。9月上旬にはJR博多駅の巨大ビジョンやデジタルサイネージを1週間“ジャック”し、誘客促進を図る。
 大阪駅では数日間、構内にステージを設け、長崎の「食」をテーマにしたイベントや県内21市町の物産販売などを予定。博多駅では、本県出身のタレントで西九州新幹線県広報大使、長濱ねるさんが出演するPR動画を期間中、68面のデジタルサイネージなどで常に放映するという。
 会合は3回目で交通、観光、行政、経済団体の関係者ら約30人が出席。開業に向けた取り組みについての意見交換もあった。松浦鉄道(MR)の藤井隆取締役会長は、県北地域への恩恵が少なく、市民や町民の期待感はまだ薄いとした上で、「ハウステンボスだけでなく、平戸や松浦に観光客を引っ張り込む策を考えていかなければならない」と前向きに述べた。
 有識者として出席した県立大地域創造学部の鳥丸聡教授は、九州新幹線鹿児島ルートの開業時の状況を引き合いに「『介護のための新幹線』『部活のための新幹線』といった使い方があった。新幹線の多面的な機能を分析し、地元の人の利用促進についても考えていくべき」と助言した。


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