文学碑訪れ冥福祈る なおえつ茶屋店主 河端さん闘病の支えに 林芙美子の命日

 直江津が登場する小説『放浪記』の著者、林芙美子の命日の6月28日、なおえつ茶屋(上越市中央1)の河端紀子店主は同市中央2の荒川橋たもとにある文学碑を訪れ、冥福を祈った。

『放浪記』文学碑の前で手を合わせる河端さん(左)

 河端さん(82)は毎年、命日に文学碑に手を合わせ、店で芙美子ブレンドのコーヒーを出している。昨年4月に悪性リンパ腫で入院し、昨年の命日は病院のベッドで患者やスタッフと一緒に合掌。半年で退院し、「(林芙美子の)『こんちくしょう』の気持ちで頑張った。文学・芸術はやっぱり必要」と闘病を振り返った。
 この日は『放浪記』に登場する継続団子と芙美子ブレンドコーヒー、6月にちなんで神戸の花屋から取り寄せたアジサイの花束などをささげた。店は現在、リハビリを兼ねて毎週水、土曜日の午前中に営業。10月からの通常営業を予定している。

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