ウイリアムズF1、今季初の大規模アップグレードを投入「レッドブル寄りのコンセプト」でパフォーマンス向上狙う

 ウイリアムズF1チームは、第10戦イギリスGPでアレクサンダー・アルボンのFW44にのみ空力アップグレードを投入する。まずは一台でテストを行い、予想どおりの挙動を示すかどうかを確認すると、ビークルパフォーマンス部門責任者のデイブ・ロブソンは語った。アルボンは、サイドポッドにレッドブルに似たコンセプトを採用した新パッケージに大きな期待を寄せており、コンストラクターズランキング最下位からの浮上を目指している。

 9戦終了時点でウイリアムズは入賞を2回果たしたのみで、コンストラクターズ選手権10位に沈んでいるが、シーズン最初の大規模なアップグレードによりFW44のパフォーマンスを大幅に向上させることを目指している。ロブソンは、イギリスに持ち込むアップグレードについて次のように説明した。

「アップグレードの基本は、ボディワークとフロアであり、マシンのダウンフォースを効率的に向上させることを狙ったものである。ホームレースを迎え、ニューパーツの理解を進めることを楽しみにしている。新パーツによってマシンのバランスとハンドリングが変わるものと思われ、ドライバーたちが最大限の力を引き出して活用できるようになるまで少し時間がかかるかもしれない。来週のオーストリアはスプリント形式で行われるので、今週末のうちにできる限り多くのことを学びたい」

2022年F1第9戦カナダGPでニコラス・ラティフィが走らせたウイリアムズFW44

 イギリスGPを前にした木曜、アルボンは、アップグレードによりペース向上がもたらされ、上位で戦えるようになることを期待していると語った。

「本格的なアップグレードだ。アップグレード自体久しぶりなんだ。他のチームは少しずつ僕たちとのギャップを広げつつあったから、この新しいアップグレードの導入には興奮を覚えるよ。また予選でQ2に進めるようになるといいね。これまでずっと、全体の真ん中より後ろのグループにいた。でも今回アップグレードが入ることで楽観的な気持ちになっている。コンマ3秒とかそれ以上を縮めることができれば、上位グループに近づくことができるからね」

 フロア、サイドポッドなどが変更された新パッケージについてアルボンは、チームはコンセプトとしてレッドブルと同じ方向性を選んだと明かした。

「見て分かるとおり、皆があるコンセプトというかテーマに向かっている。それぞれに少し違うことをやり始めて、フェラーリのコンセプトかレッドブルのコンセプトを選ぶようになっていると思う。僕たちのマシンはどちらかというとレッドブルのマシンのようだけど、そっくりとは言えない。その方向に向かっているということなんだ」と、アルボンは『The Race』に対してコメントした。

2022年F1第10戦イギリスGP アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)

© 株式会社三栄