「猫」と「人」 安心して暮らせる社会へ どうぶつのきもち・どうぶつ愛護福祉研究所 活動10年目 NPO法人に

 地域猫社会の実現、不幸な猫の減少を目指す「野良猫と人との共存プロジェクト」に取り組んできた市民団体「どうぶつのきもち・どうぶつ愛護福祉研究所」(糸魚川市青海)が22日から、NPO法人(特定非営利活動法人)としての活動を開始。多田松樹代表(47)が理事長に就任し、新たなスタートを切った。

 同団体は2013年4月に発足、今年が活動10年目になる。同プロジェクトは今年で4年目。野良猫(外猫)を捕獲し、不妊手術をし、元の場所に戻す「TNR」活動を地域の理解を得て、行政とも連携し進めてきた。これまで手術した野良猫は400匹に及ぶ。

 昨年7月からは「しんけん動物病院」(長野市)の松木信賢獣医師(41)が「動物移動手術車」で定期的に来訪。1年足らずで170匹を手術している。多田理事長は地道な活動の成果で「(外にいる)子猫の姿が、糸魚川では極端に減ってきた」と話す。

 今回のNPO法人化は、活動の永続化に向けた変更。5月19日付で指定を受けた。現行の動物愛護活動に加え、ペット火葬など諸課題への対応を視野に入れる。多田理事長は「動物と人とが共に安心して暮らせる社会の実現を目指したい」と決意を話している。

活動10年目、NPO法人として始動した「どうぶつのきもち・どうぶつ愛護福祉研究所」の多田理事長

◇猫との暮らし方注意点など学ぶ

 同NPO法人は同市寺町4のビーチホールまがたまで26日、松木獣医師を講師に迎え「しんけん先生に聞いてみよう 猫との暮らし方教室」を開いた。

 猫と暮らしている人、これから猫と暮らすことを検討している人を対象に実施。20人が聴講し、猫の健康管理、注意点などを学んだ。

 松木獣医師は「猫との楽しい暮らし方」と題し、猫の習性、不妊手術の実施、遊び方、餌の選び方、病気など、飼い方の基本を分かりやすく解説し、質問に答えた。

「猫との楽しい暮らし方」を解説する松木獣医師

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