世の中には見た目とは裏腹に、人間にとって危険な生物がたくさんいることはご存じでしょうか。ここでは、そのなかから「海などの水辺に潜む危険生物」をまとめて紹介します。コロナ禍の影響もあって愛好者が増加している「釣り」はもちろん、「海水浴」でも出会う可能性が高い、15種の生物にクローズアップ。いずれも人間にとって危険な毒や鋭い歯・爪などを持った、注意したい生物ばかりですよ。
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「ハオコゼ」かわいい顔して毒針を標準装備!
堤防釣りの定番の毒魚として知られているのが、こちらの「ハオコゼ」。アジやサバ狙いのサビキ釣りや、シロギス狙いのチョイ投げでも針に掛かることがしばしば。
成魚でも10cm程度とかわいらしい見た目ながら、背、腹、しりの各ヒレに毒トゲを持っており、刺されると腫れや痛み、痺れになどの症状が出ることが多い。
「ゴンズイ」ナマズそっくりだけど夜の海に注意!
ナマズのような見た目でどこか愛嬌もある「ゴンズイ」。夜行性なので、暗い時間帯での釣りや水が濁っているときにハリに掛かることも。
背ビレと胸ビレに鋭い毒トゲを持ち、刺されると痛みや腫れなどの症状に。場合によっては翌日まで症状が続くことも。
「アイゴ」磯焼けの原因ともされている厄介者
海藻類を食べ尽く旺盛な食欲もあり、磯焼けの原因ともされている「アイゴ」。魚体のほとんどのヒレに毒を持つトゲが備えられていて、釣りあげるとそれらを逆立てるようにして暴れる厄介者。
アジやサバ狙いのサビキ釣りでは10cm程の幼魚が掛かることもあるが、それでも数時間にわたって患部が痺れたり痛みや腫れが続くことも。
「ミノカサゴ」華やかさとは裏腹に毒魚ランク上位!
岩礁と砂地が入りまじるような地形の海域に多く生息する「ミノカサゴ」。シロギス狙いの投げ釣りなどで釣れることもあるが、その華やかな見た目に騙されると危険!
背、腹、しりのヒレには毒をもったトゲが備わり、刺されてしまうと強い痛みに襲われること必至。
「アカエイ」河口などで見かけることもあるが・・・!?
こちらは、日本ではもっともポピュラーなエイともされている「アカエイ」。河口や運河などの身近な水辺に生息しているので、出会ってしまう可能性も高い危険生物。
尾の付け根にナイフのような毒トゲを持っており、刺されてしまうと激しく痛み、ショック症状で死に至ってしまった例も。大きい個体では10kgを超え、釣り上げた場合は尾を激しく振り回すこともあるので注意が必要だ。
「ウミケムシ」海中に生息する毛が注意の毛虫
釣りエサにも使われるゴカイなどの仲間に属する、5~10cmの大きさの毛虫。海中に生息し、投げ釣りなどの針に稀にかかることも。
刺激を受けると毛を逆立ててきらきらと煌めくが、これに触れると肌に刺さり、腫れや痛み、痒みを伴うことも。剛毛ではあるものの、引き抜こうとすると崩れて患部に残ってしまうこともある。
「ギギ」淡水魚では珍しい毒持ち
夜行性の淡水魚なので、ウナギ釣りの外道として掛かることも多い魚。胸ビレにあるトゲと基底部の骨をすり合わせてギーギーと音を出すことから、「ギギ」と名付けられたとも言われている。
背ビレと胸ビレにあるトゲに毒を持つとされ、刺されてしまうと痛みを伴うことも。
「ウナギ」じつは血が有害だった!?
食材としても人気の「ウナギ」は、その血液は人間にとって有毒なものとされ、厚生労働所の公式サイトでも注意喚起が行われている。
食中毒の危険性もあるが、人間の粘膜に付着し傷口から入ると、局所的な炎症が起こることがあるともされている。
「ウツボ」なんにでも食らいつく海のギャング
磯や堤防に隣接する浅い岩礁帯に潜み、暗くなるとエサを求めて盛んに行動する「ウツボ」。口に並ぶ鋭い歯は、釣りのシーンにおいても要注意。
手などはもちろん、「長靴に穴をあけられた」という釣り人の体験談も。
「タチウオ」切れ味抜群の歯に要注意
大きい物では体長1mを超えることもある、細長い魚体の「タチウオ」。夏から秋にかけて岸壁からも釣ることができるので、釣りでも人気の魚の一つ。
肉食魚らしく口には切れ味の鋭い歯が並び、前歯は獲物を捕らえやすいよう湾曲しているのも特徴。軽く触れてしまっただけでも深い傷を負うこともあるので、素手で触るのは避けるべきだ。
「サワラ」上下に並ぶ歯が危険!
西京焼きなどにもお馴染みの「サワラ」。1m程まで成長するサバ科の大形魚として馴染みある種だが、サバとは異なり、ノコギリのような歯が上下に並んでいるのが特徴の一つ。
釣り糸も簡単に切れてしまう鋭さなので、釣り上げた際はラジオペンチなどの道具を使って針を外すのがおすすめ。
「ムツ」美味ながらも鋭い歯には注意!
ほどよく脂がのった身でさまざまな料理に活用されることも多い「ムツ」。堤防などから釣れるのは20cmにも満たない幼魚であることがほとんどだが、1mほどまで成長するため鋭い歯を持っていることは忘れてはいけない。
「カマス」干物にも人気だが口先は鋭い歯が!
夏から初冬に浅場を回遊する「カマス」。岸からは主に15~30cmほどのサイズのアカカマスとヤマトカマスを釣ることができるが、クチバシのように伸びた口先には、小魚などを捕食するための鋭い歯が並んでいる。不用意に手を近づけると傷を負ってしまうこともあるので注意したい。
「シャコ」甲羅にヒビを入れるほどの強烈パンチ
寿司ネタなどでもおなじみの「シャコ」。身近な存在ではあるものの、「凶器」とも称される破壊力抜群の手(捕脚)には要注意。
ここから繰り出すパンチは、貝やカニの甲羅にヒビを入れるほどの破壊力。シロギスやハゼ、カレイ狙いの投げ釣りでハリに掛かることもあるが、釣り上げた際は取り扱いを慎重に。
「ダイナンウミヘビ」ウナギやアナゴの仲間だが・・・
ウミヘビではなく正確にはウナギやアナゴの仲間に分類される魚。夜間に砂地から出てきて活動し、雑食性なのでさまざまなものをエサの対象として漁る。
口先には鋭い歯が並び、釣り上げた際は針を喉奥まで飲みこんでいることが多いので、外す際にケガを負わないように注意が必要だ。長い身体をよじらせて激しく抵抗する。
今回は、海水浴や釣りなどのレジャーで出会うこともある、水辺に生息する「危険生物」をまとめて紹介しました。いずれも、遭遇したときは要注意。素手で触ることなく道具を使うことが必須。楽しく遊ぶためにも、これらの生物のことを覚えておくのもおすすめですよ!
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