露店なし、来訪自粛…前例のない七夕まつり 平塚で準備加速

「来年につなげるための大事な祭り」と語る、つるや製菓の永見店長(右)=平塚市紅谷町

 日本三大七夕祭りの一つ、「第70回湘南ひらつか七夕まつり」(8~10日)まで約1週間に迫った。3年ぶりに開催する今回は、新型コロナウイルス感染症対策で露店営業が認められず、飲食や物販などを営む地元業者にとって前例のない祭りとなる。「都まんじゅう」で有名な創業67年の「つるや製菓」(平塚市紅谷町)の永見敏康店長(49)は、「何事もなく、無事に開催されてほしい」と入念な準備を進めている。

 「暖かくなってくると、七夕が来る。『夏が来た』っていう季節感がありますね」。薄れかけていた感覚に永見店長の頰が緩んだ。

 感染対策を講じた上で実施する今年の七夕まつりは、開催エリアの規模を縮小し、時間も短縮する。飲食を伴う露店の出店は行わず、県外からの来訪も自粛を求めるなど、例年の形式とは大きく異なる。

 永見店長は「どのくらいのお客さんが来るか分からない。屋台は祭りの華なので、寂しさはある」と不安をにじませる。一方で「今回は露店がない分、うちみたいな店にいっぱい来るんじゃないか」と期待も寄せている。

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