次のGAFAMの有力候補は?成長が期待できる「破壊的イノベーション企業」を見つける方法

大型テック株であるGAFAM(グーグル、アップル、メタ(旧Facebook)、アマゾン、マイクロソフト)は、今や私たちの生活には欠かせない企業となっています。

そして、業績や株価も大きく上がってきたことから、投資家だったら「未来のGAFAMとなる銘柄を探したい」という気持ちを持っているのではないでしょうか?

今回は、未来のGAFAMとなる銘柄を探すヒントについてお伝えします。


ARKK:アーク・イノベーションETFをチェック!

インターネットの進化の次世代と見なす「破壊的イノベーション企業」に特定した投資をしている資産運用会社のARKインベスト・マネジメント社をご存知でしょうか?

ARKインベスト・マネジメント社はアメリカの資産運用会社で著名投資家キャシー・ウッド氏が2014年に立ち上げてCEO兼CIOを務めている企業です。ウッド氏は、ブルームバーグの編集長からベストストックピッカーやフォーブス50オーバー50に選出された経験を持ち、天才女性投資ファンドマネージャーと言われることもある著名投資家です。ARKインベスト・マネジメント社では独自のリサーチ力を駆使して「破壊的イノベーション企業」を選定しているのを特徴としており、選定条件としては以下の3つを挙げています。

(1)劇的な生産性の向上をもたらす
(2)急激なコスト低下をもたらす
(3)ほかのイノベーションを創出するプラットフォームである

ウッド氏の旗艦ファンド、アーク・イノベーションETF(ARKK)は、「モノのインターネット」「クラウド・コンピューティング」「デジタル通貨」「ウェアラブル・テクノロジー」という5つのキーワードに当てはまる企業が組み込まれています。

代表的なのが、CEOのイーロン・マスク氏も有名なEV(電気自動車)の新興自動車メーカーのテスラです。広告も打たず、直営のウェブサイトによる予約受付でのみで販売しているという特徴があり、攻めの姿勢や未来へのビジョンの提示が鮮やかな高成長企業です。

いまでは投資家の期待感も高い企業ですが、当時のテスラには先行き不透明感や懐疑的な見方も多いなか、ARKKはいち早くテスラ社への投資を行っていたことから、ウッド氏の投資家としての手腕が知れ渡ることになりました。

ARKKは日本の証券会社では取り扱いがなく、購入するには海外の証券会社に口座開設する必要があるので、初心者の方にはハードルが高く感じるかもしれません。しかし、ARKKにどのような銘柄が選ばれているのかはチェックすることができます。

著名投資家ウッド氏のリサーチ力にあやかるのは、「ネクストGAFAM」を見つけ出す一助となるのではないでしょうか?

アーク・イノベーションETFの値動きは?

まずはARKKの値動きを見てみましょう。コロナ禍で大きく注目され、2020年には約150%上昇で話題となりましたが、2021年に高値をつけてから大暴落しています。

チャートをご覧いただくと、コロナ禍での上昇は全て飲み込んでしまった形です。足元では前の重要な安値(水色のライン)で下げ止まっているように見えます。

ARKKに組み込まれている「破壊的イノベーション企業」は、裏を返せばハイリスク銘柄でもるため、何かしらのリスクに対する警戒が強まると売られやすい傾向にあります。しかし、成長性が見直されているのか足元では持ち直し始めており、資金流入が確認されています。

アーク・イノベーションETFの組入れ銘柄をチェック!

アーク・イノベーションETFの投資信託組入れ上位銘柄をピックアップしてご紹介します。

ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ

パソコンやスマートフォンなどのデバイスを使用し、オンラインでセミナーや会議を開催するために開発されたクラウドビデオ会議サービスのZoomを運営する企業です。「Zoom」アプリを使い、簡単に映像や音声でのビデオ会議や電話会議ができることから、コロナ禍で爆発的に世界中で利用者が増えました。ユーザーを無償でのトライアル利用からサブスクリプション型などの有料ユーザーに育てるフリーミアムモデルで、大きく成長しています。

ロク

NetflixやHuluなど、3,000以上の動画配信サービスにアクセスが可能なプラットフォーム、Roku Channelを手掛ける企業です。Roku Channelでは広告が表示される代わりに無料で多数の映画やテレビ番組にアクセスすることができることから、米国などの動画配信市場で高成長をしている企業です。

ユーアイパス

デスクトップ上の事務作業や定型業務、Webアプリケーション、大量のデータ処理などの様々なシステムと連携するRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)サービスを運営する企業です。ビジネスの時間と労力を節約して業務プロセスを効率化したり、コンプライアンスの強化やカスタマーエクスペリエンスの向上に繋がることから、世界的に多くの導入実績を持っています。

ほかにもARKKには、長期的な視点でも投資妙味性がある企業がたくさん組み込まれているので、興味を持たれた方は調べてみてください。

ただ「破壊的イノベーション企業」は投資段階にある企業も多く、金利が上昇することが見込まれる現在の利上げ局面は、厳しい環境であるともいえます。長期的に成長に投資していくようなイメージで、焦らずに探して投資を検討することをおすすめします。

6月27日週「相場の値動き」おさらい

さて2022年の上半期が終わりましたね。

上半期のS&P500は20%を超える下落、ダウ平均は15%を超える下落となりました。 またハイテク株のナスダックは29.5%の下落と、上半期の下落率としては過去最大でした。

6月30日(木)に発表された5月のPCEデフレーターは予想を下振れました。PCEデフレータは簡単にいうと個人消費からみた物価動向を示す指標ですが前回6.3%、予想6.4%、結果6.3%と先月と比べて横ばい。食品とエネルギーを除くコアPCEは前回4.9%、予想4.8%、結果4.7%となりました。消費の伸びが鈍化したことで、景気減速懸念が高まった一方、インフレ懸念は落ち着く結果でもあったといえます。

ただ6月29日(水)のECB主催のシンポジウムでは、FRBのパウエル議長はインフレ対策、物価安定のために積極的な利上げの継続の意向を改めて示しており、ECBのラガルド総裁は7月に11年ぶりの利上げを行う方針を改めて強調し、9月に大幅な利上げを行う可能性も示したと報じられていることで、欧米の金融引き締め政策が世界経済を冷やすとの警戒感が相場の重しとなっているようです。

7月1日(金)の日経平均株価は、前日比457円42銭安の2万5,935円62銭と3日続落。先週末6月24日(金)の日経平均株価は2万6,491円97銭でしたので、週間では556円35銭の上昇となっています。

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