複線高架駅の直下に別会社線の単線がスルーする、どこかシュールな鉄道風景がおもしろい

どこかシュールでおもしろい鉄道風景がある―――。たとえば、三重県鈴鹿市と、千葉県成田市に。

高規格で高架線区間もある伊勢鉄道 伊勢線の鈴鹿駅は、2面2線のホームをもつ高架駅で、そのすぐ名古屋寄りの下を近鉄鈴鹿線が通ってる。

でも近鉄鈴鹿線はこの伊勢線 鈴鹿駅と接続する駅をもたず、伊勢線を下からスルーしている。

これと似た風景が、関東にもある。千葉県成田市松崎(まんざき)にある、京成成田空港線 成田湯川駅。

もともとあった北総鉄道と千葉ニュータウン鉄道がもっている印旛日本医大までの線路を延長し、成田空港へと結んだ延長線につくった唯一の途中駅で、京成の空港連絡特急スカイライナーは通過。アクセス特急だけがとまる。

京成グループ公式サイトには、この成田湯川は「京成線65駅の中で最も新しい駅です。この駅にある進路を振り分ける「分岐器」はスカイライナーが速度を落とさず通過できます」とある。

「進路を振り分ける「分岐器」」は、この駅の成田空港方で単線になる部分にあるポイント。国内最大級38番分岐器をおき、新幹線にも似た高速分岐器通過をみせる。

話を立体交差に戻して、伊勢鉄道 伊勢線 鈴鹿駅と似た構造をみてみる。

成田湯川駅は、そのホーム東端の直下にJR成田線が走っている。JR側は、この成田湯川駅で京成成田空港線との乗換駅をつくるメリットが見込めないからか、接続駅をつくってない。

それはそうか。常磐線 我孫子方面から成田線(我孫子支線)を伝って成田空港へと行く場合、成田駅から成田空港行きに乗り換えるか、京成本線 京成成田駅へ徒歩で行って成田空港行きに乗り換えればいい。

―――どこかシュールな、高架駅の直下に別会社線の単線がスルーする風景。この成田湯川駅から成田線の線路に沿って歩いてみて見つけた“発見”は、またこんど。

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