中国航空会社がエアバス旅客機292機を購入、米国では「あせりの論調」出現

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中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空、深セン航空はそれぞれ1日、欧州航空機メーカーのエアバス社が製造する新鋭機のA320neoを購入すると発表した。4社合計の購入数は292機で、受注額は370億ドル(約5兆円)を上回るとされる。中国メディアの環球時報によると、ボーイング社を擁する米国では「あせりの論調」と思われる記事などが発表されている。

中国国際航空は64機、中国東方航空は100機、中国南方航空は96機、深セン航空は32機を購入することで、エアバス側と合意したとされる。エアバス側も同日、中国の航空会社との売買契約の成立を発表した。なお、実際の価格については引き渡し時までの各種状況により変動の可能性があるという。

中国は過去3年間にわたり、大型ジェット旅客機の新規発注をしてこなかった。米ブルームバーグは同日付の記事で、中国の航空会社が集中的に大量のエアバス機を買い付けることは、中国の民間機分野におけるボーイングの主導的立場に大きな影響を与えるとの見方を示した。

同記事は、中国側の大量調達を実現したエアバス側との要因として、天津市内にエアバス機の組み立て工場を設立したことを挙げた。また、エアバスと中国は2019年に「工業協力をさらに一歩発展させる覚書」を交わすなど、双方は関係を強化してきた。エアバスによると同社は中国で、合弁会社を含めて1900人以上を雇用しているという。

また、1日に中国側の買い付けが発表されたA320neoシリーズは、次世代エンジンなどの新技術が多く取り入れられており、燃料消費を20%削減するなどで、航空会社の運用コストを大幅に削減することができる。

記事は、中国への売り込みについてのボーイング側のマイナス要因として、同社の花形機種だったB737MAXが2018年と2019年に墜落事故を計2回発生させたことの影響が続いていることや、米中間の緊張が高まっていることを挙げた。

米国の政治ニュースサイトのポリティコは6月22日付で、「エアバスは中国の軍産複合体と深いつながりを持っている」との見方を紹介する記事を発表した。同記事は「ボーイングの中国市場への売り込みはトランプ前大統領による米中貿易戦争で打撃を受けたが、エアバスは中国ではるかに成功」と指摘し、ビジネスを通じて「(西側の企業と)中国の民間軍事組織との協力が、中国軍の進歩につながる可能性を認識している」などの声を紹介した。

同記事は懸念材料の一つとして、天津の組み立て工場の最高責任者が共産党員であることも挙げた。なお、中国では企業人が中国共産党員であることは極めて広く見られる現象であり、同記事がなぜエアバスの組み立て工場について特記したかは不明だ。

環球時報は、ポリティコ記事がエアバスと中国軍産業複合体の関係を問題視したことについて「道理が全く通らない宣伝であり、反論するにも値しない」と批判した。

環球時報はさらに、中国の航空会社がエアバス機を選んだ重要な理由は運用コストが低いことと主張し、「米国メディアがボーイング社が航空機の性能、安全性などの面で出現した問題を反省せず、地政学的な視点だけで中国とEUの民間航空調達での提携を騒ぎ立てても、中国市場でのシェア低下という現実的な困難を解決することはできない」と批判した。(翻訳・編集/如月隼人)