コロナワクチン選択広がる ノババックス、長崎県内は8日から

米ノババックスが開発したワクチン

 米バイオテクノロジー企業ノババックスが開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が8日から長崎県内でも始まる。国内で4番目に承認され、副反応が出る割合が低い臨床試験のデータがある。県が設置した接種センターの予約数は300回に迫る。県の担当者は「選択肢が広がり、接種率向上につながってくれれば」と期待する。
 県は接種センターを長崎市虹が丘町の道ノ尾病院に設置。6月3日から予約を受け付けたところ、2回目までに強い副反応が出て、2回目、3回目を敬遠していた人などから問い合わせが次々に入ったという。
 同院感染対策部長の安岡彰医師は海外などの臨床試験の結果について「発熱などの副反応が出る割合は低く抑えられている」と説明。国内で主に使われている米ファイザーやモデルナが開発したメッセンジャーRNAワクチンについて「新しい仕組みのワクチンなので『未知のもので心配』という方もいた」と話す。
 一方、ノババックスのワクチンは「組み換えタンパクワクチン」と呼ばれ、安岡医師によると、これまでB型肝炎ウイルスワクチンなどに使われていた実績があるという。
 同院のほか、長崎市は14日から3回目接種で使用する。市の担当者は「道ノ尾病院で予約が増えていると聞き、ニーズがあると感じた。選択の幅を広げることにした」と話す。県によると、ほかにも使用を検討している医療機関や自治体が複数あるという。
 国内では技術提供を受けた武田薬品工業が製造。18歳以上が対象で4回目への使用は認められていない。道ノ尾病院は8日以降、毎週金曜に実施。予約・問い合わせは道ノ尾病院(電095.856.1111)。受付時間は月-金曜は午前9時~11時半、午後1時半~4時半、土曜は午前9時~11時半。長崎市の予約・問い合わせは市ワクチン接種コールセンター(電0120.095.827)。受付時間は午前8時45分~午後8時。


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