河北春秋(7/3):2月から6月にかけて東北放送など東北各県…

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 2月から6月にかけて東北放送など東北各県で放映された『居酒屋新幹線』は、食を通じて地域の魅力を発信するドラマだった。新幹線で東北に日帰り出張する会社員の主人公が帰りの車内で、一人居酒屋さながらテイクアウトのご当地グルメを堪能する▼米沢市出身の俳優真島秀和さんが主人公を演じるドラマで面白いのは、沿線で食べ物や酒をあれこれと探し求めたり、味わったりする時の「心の声」。主人公の表情と相まって、ご当地グルメのおいしさを存分に伝えた▼新型コロナウイルス下で拍手などによる「心の声」の応援が求められてきたスポーツ観戦は、サッカーでようやく一歩前進の気配が漂う。Jリーグがエリア指定、マスク着用などを前提に、声出し応援の運営検証を6月から行っている▼神奈川県の歌人片岡絢さんに、こんな一首がある。<遥かなる高三の日の球場のスタンド席のわが声いづこ>。声援は人の自然な感情表現であり、四半世紀がたち43歳となった今も青春の忘れがたい思い出なのだろう▼8日から東北で夏の全国高校野球地方大会の試合が始まる。声出し応援の解禁はプロ野球と同様、まだ時間がかかりそう。でも、観客数の大きな制限はなくなる。仲間との「心の声」での応援が大切な思い出になればと願う。(2022.7・3)