酷暑の中で“熱く”舌戦 投票まで1週間 各候補、熱中症対策も 2022参院選長崎

厳しい日差しの下、支持を訴える候補者=西彼長与町

 参院選長崎選挙区の候補者らは、梅雨明け後の酷暑とも戦っている。週末の2日も各地で真夏日となる中、日焼けを物ともせずアピール。熱中症対策に余念がない。投票まであと1週間。
 「木陰、日陰で暑さをしのいでください」-。午前10時すぎ、演説会場の西彼長与町のJR長与駅前にA候補一行が到着し、同行スタッフが集まった約70人にマイクで呼びかけた。スマートフォンで気象情報を見ると、既に30度の表示。長袖シャツを腕まくりしたA候補は、日陰に散らばった支援者らに「どうか皆さんの1票を」と訴えた。
 移動中の選挙カー内はクーラーを効かせているが、沿道に手を振るため窓は全開で、熱風が入り込んでくるという。車内には冷えたおしぼりや汗ふきシートなど大量の涼感グッズ。「水は1日5リットルは飲んでいる」と笑うA候補は、助手席に座るため、右腕よりも左腕の方が日焼けしていた。
 午前11時ごろ、大村市の商業施設前。気温が33度近くに上昇する中、約20人がうちわを手に日陰で待っていた。日傘を差す人や首に保冷剤を巻く人も。そこへ到着したB候補は、強い日差しの下、ためらいもせず選挙カーの屋根に上り、約10分間、演説を続けた。
 この日の街頭演説は県央の団地や広場など約15カ所に及んだ。合間には凍らせたおしぼりで体を冷やしたり、塩あめをなめたりと熱中症対策を心がけているという。「暑かでしょ」「台風が来よるよ」。演説を終えたB候補は支援者と互いを気遣った。記者から暑さ対策を尋ねられると「麦茶は大事」と、こんがり焼けた顔をほころばせた。
 夕方、C候補の一行は佐世保市内にいた。同行スタッフが帽子を着用する一方、候補自身は「顔もしっかり覚えてもらいたい」とかぶらず、額に汗を光らせながら手を振った。選挙カーに載せたクーラーボックスには、キンキンに冷えたスポーツドリンク。演説で酷使する喉を潤していた。


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