核軍縮に向け、若者の活動後押し 長大レクナ設立10周年記念特別講座

レクナ設立10周年を記念した特別講座で、10年間の歩みを振り返る関係者=長崎市平野町、長崎原爆資料館ホール

 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)と、官学でつくる「核兵器廃絶長崎連絡協議会」の設立10周年を記念した特別講座が2日、長崎市内であった。関係者は、核軍縮に向けた若者の主体的な活動を後押しする重要性を確認した。
 レクナは核兵器廃絶に特化したシンクタンクとして2012年に設立。同協議会は県、長崎市、長崎大が同年設立し、レクナの知見を基に人材育成や市民講座などを展開している。
 設立当時の学長、片峰茂氏は、元学長の故土山秀夫氏の働きかけで動き出したと説明。核軍縮を巡る国際情勢や被爆者の高齢化を背景に「継承が大きな課題となる中、創設は歴史的必然だった」と振り返った。
 レクナの初代センター長、梅林宏道氏は「被爆の歴史を背景に、核兵器廃絶に焦点を絞った世界に例のない研究機関」と存在の意義を強調。田上富久長崎市長は「専門性とネットワークの広がりを強化し、長崎の平和活動が力強いものになった」と評価した。
 同協議会は「ナガサキ・ユース代表団」として、大学生ら延べ87人を核軍縮の国際会議などに派遣してきた。調漸会長は6月の核兵器禁止条約締約国会議で活動した非政府組織(NGO)の若者たちを紹介し「時代の先頭を走り、世の中を変えるパワーを感じた。そうした人材をもっと長崎で育てたい」と話した。
 特別講座は同協議会主催。市民ら約90人が聴講した。

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