台湾有事「住民が巻き込まれる可能性」 外交努力による地域の安定を強調 命どぅ宝の会が那覇で講演会

 沖縄を再び戦場にさせないことを掲げ活動する「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」は6月26日、那覇市古島の教育福祉会館で「南西諸島有事を勃発させないために」と題し、講演会を開いた。

 基調講演した共同通信客員論説委員の岡田充さんは、米国の中国、台湾政策を説明し、日本を台湾有事に巻き込もうとしていると指摘。日米の共同作戦計画を「戦争シナリオ」と断じた。計画は南西諸島40カ所に臨時の攻撃用拠点を設けるとしており、候補のほとんどが有人島となっていることから「中国のミサイル攻撃の目標になるのは当然で、戦場になって住民が巻き込まれる可能性は大きい」と指摘した。

 岡田さんは中国の強大な経済力を踏まえ、敵視政策をやめ、首脳相互訪問、安保対話の再開などの具体策を挙げて「外交努力を重ねて中国と共存、地域を安定させる道を探るべきだ」とした。

 パネル討論も行われ、岡田さんのほか、日本国際ボランティアセンター顧問の谷山博史さん、命どぅ宝の会共同代表の山城博治さん、同運営委員の与那覇恵子さんが登壇した。谷山さんは、中国脅威論だけではなく北朝鮮脅威論も米国と日本がつくり出していると指摘。有事に最も損害を受ける市民が国境を越えて対話するとともに、国際的に連帯していくことを訴えた。講演は後日、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開される予定。

(安里周悟)

© 株式会社琉球新報社