神奈川県大井町に「め組の小学生」 担い手不足で消防団初結成

大人の消防団を手助けする大井町の小学生消防団員=同町役場

 担い手不足に悩む地域の消防団員をサポートしようと、大井町の児童で構成する「小学生消防団」が3日、初めて結成された。日々の訓練とともに年末の火災警戒や出初め式にも出動し、10人の「め組」が地域防災に一役買う。

 大井は過疎地域と新興住宅地を抱え、町内の消防団7分団の定員に対する充足率75%で全国平均88%(2021年度)と比べても低い。町は団員不足の解消に普及啓発の担い手として小学生に白羽の矢を立てた。

 初年度のモデル事業では先行して町立大井小学校4年生を対象に第1、2分団のサポート役10人を募集した。3日の式典で制帽と昔ながらの法被に袖を通した“新米団員”が小田真一町長から辞令を受け取り、災害用の大型備蓄倉庫を見学して防災の大切さを学んだ。小田町長は「地域のために役に立てているという自負を持って、多くのことを学んでほしい」と呼びかけた。

 同校4年の梅谷拓実君(9)は「消防団の仕事に興味があった。将来、消防士の人たちの手伝いができるようになりたい」と目を輝かせた。

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