ワークマンにダイキン…猛暑で買われやすい銘柄の特徴とは?

関東甲信地方の梅雨明けは平年7月19日頃ですが、今年は6月27日に梅雨明けをしました。

記録が残る1951年以来、最も早い梅雨明けで、梅雨の期間も21日間と最短となりました。


猛暑で買われやすい銘柄の特徴

梅雨明け前の6月25日(土)から猛暑が続いていて伊勢崎で6月の国内最高気温の40・2度を観測しました。東京も6月に6日間連続の猛暑日を記録し、30日木曜の東京都心は、最低気温が25.3℃、最高気温は36.4℃まで上がり、6月としては1位の値を更新しました。

7月に入っても暑さは続いています。7月2日(土)現在、東京都心は過去最長に並ぶ8日連続猛暑日を記録しています。例年よりも早い暑さの訪れでビールや冷たい飲食物、アイスクリームなどが欲しくなります。

先週の株式市場では、冷凍食品に特化した食品卸のアイスコ(7698)や、日傘などを製造販売するムーンバット(8115)、ティーバッグ麦茶の石垣食品(2901)などの株価が上昇する場面がありました。

その他では、エアコンの買い替え需要などから富士通ゼネラル(6755)、ダイキン(6367)、冷感グッズでワークマン(7564)、しまむら(8227)なども上昇が目立ちました。日焼け止めや汗ふきシートなどの需要の増加などからドラックストアなども関連銘柄として挙げられます。

今年に限らず、「猛暑予想」が発表された場合、前述した銘柄などが買われやすい傾向がある事を覚えておいても良いでしょう。

電力、水、農作物へも影響

また暑さのため、冷房による電力需要が増大し電力需給がひっ迫しています。経済産業省は6月26日(日)から4日間にわたり東京電力エリアに「電力需給ひっ迫注意報」をだして家庭や企業に節電を呼びかけました。政府からこの様な呼びかけは初めてのことです。

7月10日(日)に投開票が行われる参議院選挙後には、原発再稼働も話題に上がりそうです。6月30日(木)、ロシアのプーチン大統領がサハリン2の権益などを引き継ぐ新たな事業体を設立する事に関し、大統領令に署名したとの報道がありました。この事業には三菱商事(8058)や三井物産(8031)の商社が名を連ねています。

岸田首相はロシアがウクライナに侵攻した際においても、「日本は撤退しない」との方針を発言していました。サハリン2からは、年1,000万トンの液化天然ガス(LNG)生産量のうち約600万トンが日本向けで、日本全体で9%を依存して、ロシアからの輸入量のほぼ全量を賄っています。仮にロシアからのLNGがストップした場合、更なる電力不足や料金価格の上乗せも考えられます。そうした事からも原発再稼働の動きに拍車がかかりそうです。

異例の早さで明けた梅雨で水不足の懸念や連続の猛暑で熱中症への注意喚起など、連日ニュースで取り沙汰されています。フジテレビが報じたところによると、徳島県と香川県をはじめとする四国4県の主な水源で“四国の水がめ”と呼ばれる高知県の早明浦ダムでは、貯水量が29日(水)午後3時時点で34.9%まで減少しており、渇水が進み貯水率が0%になる可能性もあるとしています。今後は農作物への影響も出てくるかもしれません。

5月末の記事ではインド、パキスタンの異常な気温上昇から小麦不作懸念、ロシア(世界3位の生産国)によるウクライナ(世界8位の生産国)侵攻も相俟って物価高懸念の話題でした。追い討ちをかけるように、猛暑や水不足となれば農作物への影響は更に色濃くなると思います。


今年はようやく新型コロナによる影響が半減し、本腰の経済活動中心の夏を向かえられそうな気配です。今後、一足先に訪れた猛暑が収まる事を願っています。

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