河北春秋(7/4):作曲家のブルックナーとブラームスは、とも…

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 作曲家のブルックナーとブラームスは、ともに19世紀を生きた。ブルックナーが革新的なワーグナーの影響を受けたのに対し、ブラームスは古典派の伝統を重視し、心から打ち解けることはなかったとされる▼そんな2人だが、才能は認めていたのだろう。ブラームスが称賛したブルックナーの壮麗な曲がある。交響曲第8番。ブルックナー自身も最高傑作に挙げるこの曲の演奏会が23日、山形市のやまぎん県民ホールである。演奏は、山形交響楽団と仙台フィルハーモニー管弦楽団▼指揮者の飯森範親さんと山響はブルックナーの交響曲0番から7番までを取り上げてきたが、8番は演奏に約90人の大編成が必要で、単独では難しい。そこで、東北の二つのプロ楽団の力を結集させて挑戦することになった▼合同演奏会は、東日本大震災以降は6回目。最初は2012年、震災復興を祈念しマーラーの交響曲第2番「復活」を演奏した。指揮した飯森さんが「一生忘れられないコンサート」と語る名演だった。今回はどんな音を聴かせてくれるのか、期待は膨らむ▼山響は今年、仙台フィルは来年で創立50周年。それぞれ、半世紀にわたって続けるのは大変な苦労があったに違いない。多くの関係者、ファンの思いが詰まった極上の響きを楽しみたい。(2022.7・4)