東京で7日連続の猛暑日 危険な暑さから子どもを守る方法は…

東京都内では7日連続で猛暑日を記録するなど、7月に入っても厳しい暑さとなりました。各地では“夏の親子の救世主”「じゃぶじゃぶ池」がオープンし、涼を求めて子どもたちが水遊びを楽しみました。

<じゃぶじゃぶ池オープンに大喜び>

東京都内では猛暑が連日続いています。東京都心では7月1日、今年最高の37.0℃を記録し、7日連続の猛暑日となりました。また練馬で38.2℃、府中で37.1℃など、各地で今年最高を記録しています。そんな暑さの中、江戸川区の区民プールはプール開きとなりました。子どもたちは水鉄砲や噴水など、思い思いに水遊びを楽しんでいました。熱中症にならないよう、木陰で休憩をしながらアイスクリームを食べる親子の姿も見られました。

一方、江東区の木場親水公園では「じゃぶじゃぶ池」の開設日を迎え、朝からシルバー人材センターの高齢者たちが炎天下、作業を進めていました。そして子どもたちにとってのオアシスがオープンすると、弾ける笑顔で水浴びを楽しむ景色が広がりました。ただ、降り注ぐ日差しの影響で、冷たいはずの水を浴びた子どもたちからは「あったかーい。お風呂みたい」という声も聞かれました。その間、保護者は紫外線対策をしっかり取りながら子どもたちを見守っていました。それでも保護者からは「見ているだけでも涼しくなる」「こんなに暑いとさすがにプールがないと厳しいので、すごくありがたい」といった声がありました。また、炎天下でじゃぶじゃぶ池の開設作業を続けてきた江東区シルバー人材センターの川合賢さんは「喜んでいる姿を見ると、暑さも吹き飛んじゃいますね」と話していました。

早くも真夏の暑さとなっている中、東京都の小池知事はこの日の定例会見で「早々に梅雨が明けたためか、危険な暑さが続いている。熱中症への警戒が必要。小まめに水分補給をして、エアコンや扇風機などの適切な活用を」と述べ、改めて熱中症への警戒を呼びかけました。厳しい暑さが続く東京都内では6月の熱中症の疑いによる搬送者が1517人に上り、統計がある2010年以降で6月として最多になりました。東京都監察医務院によりますと、6月に熱中症の疑いで男女合わせて17人が死亡したということです。

<子どもを熱中症から守るために>

都内では多くの人が熱中症で救急搬送されています。東京消防庁によりますと、7月1日もこの日だけで117人が熱中症で搬送されています(午後3時現在)。葛飾区の区立小学校では校外学習中の4年生の児童11人が体調不良を訴えました。熱中症とみられ、このうち2人が救急搬送されています。11人とも症状は回復し、帰宅できているということです。

何度もお伝えしていますが、熱中症への警戒を続けてください。前回の「高齢者の熱中症対策」に続いて、今回は「子どもの熱中症対策」を紹介します。

なぜ子どもへの対策が必要かというと、子どもは汗をかく能力が未発達でもあり「体温が熱しやすく、冷めやすい」という特徴があります。さらに環境的な要因として、照り返しなどで地面に近い方が温度が高くなることから、大人よりも背が低い子どもやベビーカーの中の子どもは大人より厳しい環境に置かれているのです。暑さ対策をきちんとしないと体の中心部の体温=「深部体温」が上がり、熱中症をきっかけに脳への障害が残る恐れがあります。年齢が低いほど体調不良を自分ではうまく伝えられないこともありますから、周りの大人のサポートが大切です。

では、周りの大人はどういったところに気を付けたらよいのでしょうか。TOKYO MX「news TOKYO FLAG」火曜日コメンテーターで小児科医の小暮裕之さんによると、まず基本は「顔色や汗のかき方を注意深く観察する」ようにしてください。そして、機嫌が悪い、あるいは食欲がないといった普段と様子が違う時は体温を確認したり涼しい場所で安静にさせたりしてください。さらに具体的な熱中症を疑うサインとして、子どもの尿の色が濃かったり回数が減っている時は脱水症状からの熱中症の可能性があります。さらに、子どもに限らず「生あくびが続く」のも熱中症のサインです。また、持っているおもちゃなどを何度も落とす時は、熱中症による手足の震えかもしれません。こうしたサインを見逃さないようにしてください。

他にも、子どもの熱中症で注意してもらいたいことがあります。例えば、水遊びの最中でも汗はかいているため、油断は禁物です。小まめな水分補給を忘れないことと、終わった後はすぐに屋根のある涼しい場所に移動してください。そして、子どもの体を触って熱いと感じたら、首筋やわきの下、足の付け根など太い血管を冷やしてください。子どもは冷たい飲み物をよく飲んでくれるので、冷たい飲み物を切らした時でも対応できるよう、水筒に氷を入れて持ち歩くのもお勧めです。

熱中症は対策をしっかりすれば防ぐことができます。「自分は大丈夫」「これぐらいならまだ大丈夫」とは思わず、早め早めの対策をしてください。

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