チタンスクラップを添加 環境配慮型チタン素材開発 日本製鉄、直江津で製造・供給

 日本製鉄(本社・東京都)は6月30日、環境配慮型チタン素材「TranTixxii―Eco(トランティクシーエコ)」を開発、アウトドア用品メーカーのスノーピーク(本社・三条市)に供給を開始したと発表した。製造拠点は東日本製鉄所直江津地区(上越市港町2)。

 「トランティクシーエコ」の原料には、同社内で発生するチタンスクラップを50%以上添加する。チタンは精錬の際に電力を多く使用するため、スクラップを添加することでCO2の発生量を50%以上削減できるという。

「トランティクシーエコ」のインゴット(日本製鉄提供)

 一方で、スクラップから純度の高いチタンを取り出すには徹底した前処理が必要とされる。日本製鉄は2012年に直江津で設備投資した電子ビーム式溶解炉(EB炉)を使用。スクラップの配置やビームの照射パターンを最適化することにより、高純度のチタン取り出しを可能にした。

 同社はまず年間300トンの製造・供給体制確立を目指す。チタンスクラップも社内では調達しきれなくなるため、外部調達も視野に入れる。販路もスノーピーク以外へ拡大する方針だ。

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