Intel、シリコン基板上に8波長分散帰還レーザアレイの集積に成功

© 株式会社マイナビ

Intelの先端研究所であるIntel Labは、データセンター内のコンピューティング・シリコンとネットワーク全体をつなぐ通信帯域幅の拡大に向けた「シリコン・フォトニクス集積」の研究が前進したと6月28日(米国時間)に発表した。

具体的には、1枚のシリコンウェハ上に、業界仕様を上回る+/-0.25dBの高い出力電力の均一性と±6.5%の均一な波長間隔を実現する、8波長分散帰還(DFB)レーザーアレイを一体化した多波長集積光モジュールのデモに成功したとする。

また、この技術開発により、人工知能(AI)やマシンラーニング(ML)などネットワーク負荷の高い新たなワークロード向けのコパッケージド・オプティックスや光コンピューティング・インターコネクトを含め、フォトニクスの光源を、300mmウェハによるシリコン・フォトニクス製造プロセスを自社のファブに適用して量産することが可能になったという。

高まるシリコン・フォトニクスへの期待

市場動向調査会社であるGartnerは、2025年までに広帯域幅データセンター全体で通信チャネルの20%以上をシリコン・フォトニクスが占めるようになると見ているほか(2020年は5%未満)、シリコン・フォトニクスの将来的な市場規模は26億ドルになると予測している。低消費電力、広帯域幅、データ転送の高速化に対する需要の高まりが、データセンターをはじめ幅広いアプリケーション分野でシリコン・フォトニクスの適用ニーズが高まっていくものと考えられている。

光ファイバーによる接続は、1980年代に銅線から徐々に、高速・広帯域ニーズに対応することを目的に広がり、近年はスイッチ機器からデータセンター、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)まで、ネットワーク・ソリューションでの光インターコネクトの利用が拡大をみせている。

半導体チップの電気的なインターコネクトは、性能面で限界が指摘されるようになっており、その対策としてシリコン回路と光パスを同一のパッケージ内に実装することで、電力効率を向上させ、伝送距離を拡大させる次世代I/Oインタフェースが期待されている。

そうした意味では、今回の技術開発は、既存のプロセス技術で実現されたという点で重要な意味を持ち、これにより高性能化と低価格化の両立を図ることができるようになることが期待されることとなる。Intelでは、長年にわたってシリコン・フォトニクスの研究開発を進めてきており、開発中のコアテクノロジービルディングブロックには、光生成、増幅、検出、変調、CMOSインタフェース回路、およびパッケージ統合技術などが含まれているとする。また、同社は米国の8つ大学ともシリコン・フォトニクスの共同研究を行っているともしている。