「開放感ある新駅舎」カメラが密着 新しい広電宮島口駅が供用開始

来月、開通100周年を迎える広島電鉄宮島線。2日、終点の宮島口駅が新たな駅に生まれ変わりました。

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(テープカット)「広電宮島口駅、新駅供用開始です」
着工から1年8か月。世界遺産の玄関口に新たな歴史が刻まれました。

この前日からを、振り返ります。

前夜、旧駅舎供用開始を控え、最終便が宮島口駅へ向かいます。

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軌道切替工事が行われる宮島ボートレース場駅付近には、すでに多くの作業員の姿がありました。

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最終便の到着を見守る鉄道ファンの姿も。

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まもなく「旧駅舎」となる姿を残そうと熱心に撮影していました。

そして、最後の回送電車が出発。

深夜0時前、ホームの灯りが落とされ、28年間のその役目を終えました。

前夜の工事現場。ここから軌道切替工事の最終作業が始まります。

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(記者リポート)「いま線路が吊り上げられ、運ばれていきます」

これまでの線路が、クレーンによって吊り上げられ次々と撤去されていきます。

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そして新たな軌道に切り替えられていきます。

工事は、軌道切替だけではありません。試運転が始まる翌朝に向けて、信号などの電気工事も懸命に作業が、行われていました。

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当日早朝、開業の朝を迎えました。軌道切替は無事終わりましたが、最終仕上げとして線路に石が敷き詰められていきます。こちらでは、電車の車両に電気を供給する架線の検査を行っていました。

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広島電鉄によると前夜からの軌道移設の工事には、およそ180人もの作業員が、携わったということです。旧駅舎前では、始発から供用開始まで臨時運休するため、バスの代行輸送も実施されていました。

当日午前10時半。

新たに設けられた宮島口営業センターでは、記念の乗車乗船券を求め、列ができていました。

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実はこの記念キップ、10時半からの発売開始予定でしたが、6時半には買い求める人が列を作りはじめ、9時過ぎには整理券を配布し、限定200個が30分間で、完売となりました。貴重な記念乗車券を手にすることが出来たこちらの方は、なんと!?

(記念乗車券を購入した2人組)
「朝4時半。僕京都なんで。京都から朝一番で」
「乗場も増えて、新しく宮島の玄関口になったらいいなと」

駅が新しくなっただけでなく、宮島口周辺が大きく変わろうとしています。

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(宮島口商店会 上野純一会長)
「昭和、平成と繋がってきた景色が大きく変わる日なんで、それは楽しみです」
「(旧駅舎跡地については)思い出の場所として、そこがメモリアルな場所として生かしていかれる、それは商店街の一角として重要なポジションになるんじゃないかなというふうにも期待してます」

新たな駅は、以前、「もみじ本陣」があった場所で、これまでの駅からおよそ70m海側に近づきました。宮島口旅客ターミナルでの乗換の利便性が向上するのに加え、周辺の交通渋滞の原因となっていた、踏切もなくなりました。

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午後1時から行われたセレモニーには、関係者50人が参加しました。

(廿日市市 松本太郎市長)
「宮島口地区の新たなランドマークとして、多くの方々に愛され、親しまれる場になると確信をしております」

広島電鉄の椋田社長は、「この場所からにぎわいを生み出したい」と抱負を述べました。

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(広島電鉄 椋田昌夫社長)
「新型コロナで沈んだ観光事業を、もう一度ゼロから立て直すための、きっかけとなる新駅の供用開始だと思います」

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セレモニー終了後、『一番電車』には地元の宮島幼稚園の園児と保護者などおよそ70人が乗車しました。

切替工事が行われた周辺では、多くの人が『一番電車』をカメラ片手に出迎えてくれました。

子どもたちにとっては、ちょっとした遠足気分を味わえたようでした。

(保護者)
「観光客の方が船に乗るところが分からなかったようで。よく聞かれてたんですけど。皆迷わずに船に乗れて、それはすごくいいと思います」

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(『一番電車』の大役を果たした運転士 広島電鉄 山岡章仁さん)
「一番列車ということで大きな声を出して指点喚呼させていただきました今までの駅舎と違って開放感がある新駅舎だと思います」

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新しく生まれ変わった駅から夢や希望を乗せて新しい時代へと動き始めます。

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