大規模通信障害の影響か「公衆電話に人が並んでた」利用者増加でまさかの脚光

大手通信会社のKDDIが運営するauなどの携帯サービスで大規模な通信障害が発生した中、設置台数の減少が続く公衆電話が脚光を集めた。NTT東日本は「今回の騒動との関連性は分からない」とした上で、通信障害後に利用者が増えたことを認めた。

KDDIが運営する全国のau、UQモバイル、povoの携帯電話サービスで、2日の午前1時35分頃から音声通話および通信が利用しづらい状況が続いた。ツイッター上では「仕事にならん!何十年ぶりに公衆電話使った」「久しぶりに公衆電話探しました」「公衆電話に人が並んでた」などの声が挙がった。また、公衆電話の使用方法や設置場所を紹介したツイートも拡散された。NTT東日本の広報担当は「サービスの提供に支障が出るほどの利用者の増加については見られない」としたが、障害発生後に「全体として増えたのは事実としてあります」と答えた。具体的な数値については応じられないとした。

NTT東日本ホームページの公衆電話インフォメーションによると、2000年から2021年にかけての公衆電話台数は、右肩下がりで約71万台から約14万台へ81%減少。00年には1年間で400万時間を超えていた利用時間は、98%減少した。スマートフォンの普及に伴い、メールやSNSによるコミュニケーションが主流となってきていることが背景にあるという。

2011年の東日本大震災を契機に、災害時を想定して設置されるケースが多くなったという公衆電話。SNSでは「公衆電話ってやはり必要なのでは」の声も挙がった。今回の通信障害により、思わぬ形で注目を集めた格好だ

(よろず~ニュース・松田 和城)

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