「言葉にならないくらい感激」ファン歓喜!『ゆるキャン△』コラボ列車が富士のふもとを疾走

アニメ『ゆるキャン△』とJR東海、作品の舞台である静岡県・山梨県が連携したコラボイベントが7月4日から始まりました。初日となる7月4日、山梨県のJR身延駅では、イベントに合わせて運行されるコラボ列車の出発式が行われました。

車内は「ゆるキャン△」で溢れている

7月4日から始まったのは、静岡県と山梨県の周遊イベント「『ゆるキャン△』ドラマチックナゾトキゲーム ふたつの宝地図とおもいでの旅」です。

無料配布される専用冊子とLINEアプリを使った参加体験型の謎解きイベントで、△静岡スタートの『なでしこルート』と△甲府スタートの『リンルート』の2つのコースを楽しむことができます。

コースを回り切るために要する移動距離や時間はもちろんですが、謎解き自体も本格的なものとなっていて、クリアを目指す参加者にとっては〝ゆるくない〟内容となっています。

決してゆるくない謎解きゲーム

JR東海では、このイベントに合わせて、東海道線「三島~静岡間」、身延線「富士~甲府間」の普通・快速列車の普通車自由席に1日乗降自由のフリーきっぷ「『ゆるキャン△』1日周遊きっぷ」を発売(大人2000円・小児1000円)するほか、身延線を中心にコラボ列車を運行します。

イベントに合わせて発売される特別企画乗車券

コラボ列車は1編成2両で、『ビックリマン』などのイラストを手がける「グリーンハウス」が描き起こした周遊イベントのビジュアルと現在公開中の劇場版のビジュアルで装飾されています。

コラボ列車の内装 探偵風のリンとなでしこのイラストがかわいい

外装のラッピングやヘッドマークの掲出はなく、列車内のみの装飾ですが、イベント用の新たなビジュアルとアニメシリーズのビジュアル両方が楽しめるとあって、ファンの期待を裏切らない力の入ったものになっています。

写真⑤ 公開中の映画「ゆるキャン△」の大人びたなでしこ

今回、コラボ列車に“衣替え”した車両はJR東海の閑散線区を中心に活躍している313系3000番台で、固定式セミクロスシートとワンマン運転対応の設備が特徴です。

今後、身延線を中心に東海道線でも普通列車として運行されますが、外観からはコラボ列車とは分かりにくいため、偶然乗り合わせた乗客が驚くことになるかもしれません。

見た目は通常の313系電車

初日となった7月4日は、2両編成で身延線から東海道線に乗り入れる臨時列車(11:52身延駅発、14:24用宗駅着)として運行され、「用宗」と表示された見慣れない方向幕に興奮する鉄道ファンの姿も見られました。

初運行の前には、JRの身延駅のホームに静岡県・山梨県の観光関係者やJR東海の担当者などが集まり、出発式が行われました。

「用宗」と表示された方向幕

JR東海 静岡支社運輸営業部 岩田茂樹担当部長

「コロナの影響もあり、地元から観光需要の喚起をして欲しいという声も上がっていた。JR東海には「ゆるキャン△」の聖地と呼ばれる場所もたくさんあるので、謎解きイベントだけでなく、コラボ列車にも乗車してもらえればと思う」

静岡県 スポーツ・文化観光部空港振興局空港振興課 瀧口浩一課長(なでしこ推し)

「山梨県と静岡県は地理的にも近くお互いに行き来も多いので、山梨県から静岡県への周遊を期待しているし、静岡空港の就航地からも色々な人が来てくれることを期待している」

山梨県 観光部観光資源課 丸山孝課長(リン推し)

「山梨県としては広域周遊の観光を広げていくことが第一目的。より多くの人に、山梨県・静岡県にお越しいただければと思う」

身延駅で行われた出発式

アニメ『ゆるキャン△』シリーズは、7月1日から初の劇場版となる映画『ゆるキャン△』が公開されています。

映画の公開に合わせて、コラボイベントが行われることで多くのファンが舞台モデルなどを訪れると見込まれていて、関係者はいわゆる〝聖地巡礼〟〝舞台探訪〟による経済効果に期待を寄せています。

大人となった5人が活躍する劇場版

コラボイベントでは、このほかに、JR身延駅でオリジナルグッズの販売やキャラクターパネルの設置なども行われていて、コラボ列車の初運行に合わせて訪れたファンで賑わいました。

ゆるキャン△ファン

「他の鉄道会社に引けを取らない凝った装飾。言葉にならないくらい感激しているので、何と言っていいか分からない」

ゆるキャン△ファン

「身延線沿線が盛り上がっていけばという思いがあるので良いと思う」

平日にも関わらず、たくさんのファンを集めた今回の取り組み。夏の観光シーズンに向け、幸先の良いスタートとなりました。

「『ゆるキャン△』ドラマチックナゾトキゲーム ふたつの宝地図とおもいでの旅」と関連イベントは、8月31日まで開催されています。

かつてそば店があった場所に設けられた身延駅構内の物販コーナー

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