米海軍横須賀基地から有機フッ素化合物流出 目標値の2倍超

米海軍横須賀基地

 米海軍横須賀基地(横須賀市)の排水処理場の排水から人体に有害な有機フッ素化合物「PFOS」「PFOA」が流出した問題で、市は4日、検出された有機フッ素化合物の量が最も多い地点で1リットル当たり112ナノグラム(合計値)だったことを明らかにした。環境省が飲み水に定める1リットル当たりの暫定目標値50ナノグラム(同)の2.24倍だった。国を通じて米側から情報提供があった。

 市によると、5月4日に排水処理場内で泡が確認されたため、米側が9日に検査を実施。生活排水と産業排水を処理しており、処理場に入る部分の排水はいずれも暫定目標値以下だった。一方、処理場から出る排水では生活排水で1リットル当たり112ナノグラム、産業排水で57ナノグラムを検出。いずれも暫定目標値を上回っており、処理場内から流出した可能性もあるとみられている。

 泡が確認された4日以降も通常通り排水が続けられ、有機フッ素化合物は横須賀港に流れ出たとみられている。5日以降は泡は確認されなくなり、米側は処理場内にある消火設備を点検して故障していないことを確認し、関係者の聞き取り調査を行った。

 有機フッ素化合物は泡消火剤などに含まれ、発がん性が指摘されている。在日米陸軍キャンプ座間(座間、相模原市)周辺や沖縄の米軍基地周辺などで検出され、問題となっている。

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