新型コロナ「BA・5」栃木県内で初確認 月曜の感染者、6週間ぶり100人超え

県内で変異株・派生型の感染が判明した経緯

 栃木県は4日、新型コロナウイルスのオミクロン株の派生型「BA・5」と「BA・2.12.1」の感染者が、県内で計7人初確認されたと発表した。県と宇都宮市が同日発表した新規感染者数は計118人で、月曜日としては6週間ぶりに100人を超えた。全国ではBA・5への置き換わりによる感染再拡大が起きており、福田富一(ふくだとみかず)知事は「置き換わりが進めば(県内も)第7波入りが懸念される」と危機感を示した。

 県によると、BA・5は6月15日~21日の週の新規感染者のうち1人、同22日~28日の週の感染者のうち5人確認された。22~28日に行ったゲノム解析は24件で、BA・5の割合は既に2割を占める。BA・2.12.1は、22~28日の感染者のうち1人。7人は10~70代の男女で、軽症か無症状という。

 いずれの派生型も現在主流のBA・2に比べて感染力が強いとされ、BA・5は過去の感染やワクチン接種で得られた免疫をかいくぐって広がりやすいとの見方がある。

 県内では6月29日以降、6日連続で感染者数が前週の同じ曜日を上回っている。月曜は5月23日の170人を最後に2桁が続いていたが、6月27日の48人から2倍以上に増えた。週単位でも直近1週間(6月28日~7月4日)の感染者は計773人で、前週の599人から3割増えた。

 福田知事はBA・5などの県内初確認を受けてコメントを出し、県内の感染状況を「下げ止まっている」と指摘。県民には基本的な感染対策の徹底に加え、エアコン利用時の適切な換気も呼びかけた。

 4日発表された新規感染者は10歳未満~70代の男女。県内の累計感染者数は9万4504人となった。

 入院者35人、宿泊療養者108人、自宅療養者(療養先調整中含む)788人、重症者1人。

 【4日の市町別感染者数】宇都宮市40人、佐野市16人、那須塩原市14人、小山市、足利市各11人、栃木市8人、日光市、真岡市、野木町各3人、鹿沼市、大田原市、下野市、さくら市、壬生町、高根沢町、茂木町各1人、県外2人

県内の新型コロナウイルス感染者数

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