ツバメ親子の家はカラオケ喫茶 毎朝5時に窓を開け続けた女性店主と親鳥の“子育て”物語

エントランスの額縁の上に巣を作ったツバメ=6月23日、福井県福井市宮地町

 福井県福井市宮地町のカラオケ喫茶「和(かず)」で、外扉と内扉に仕切られたエントランスにツバメが巣を作り、3羽のひながかえった。店主の城川和子さんや常連客らに見守られ、6月末元気に巣立っていった。

 7、8年前から店の外壁にツバメが巣を作るようになったが、毎年カラスに壊されていた。昨年5月に、エントランスをツバメが頻繁に出入りしていたことから、「安全な場所」を見つけたようだ。

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 今年は4月末ごろから、エントランス内に飾られた額縁の上に巣作りを始めた。土が盛られていることに気付いた城川さんは「今回こそ育ってほしい」とツバメの生態を調べ、子育てを見守った。5月中旬に抱卵する様子が見られ、6月に入り3羽のひなの姿を確認。親鳥たちは近くの電線から外敵が来ないか見張っていた。

 ツバメたちは、毎朝5時に餌を運ぶ親鳥のため外扉を開ける城川さんにすっかり懐き、常連客からも「かわいくて和まされる」と人気者に。3羽のひなは6月下旬に順次巣立ち、城川さんは「巣立ちを見届けられてよかった。お客さんも同じ気持ち」と笑顔で話していた。

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