台風4号 長崎県上陸へ 災害警戒、交通機関に乱れ

台風の接近に備え、対策がとられた大浜漁港=4日午後4時ごろ、五島市

 台風4号は4日、東シナ海で北上を続け、長崎県内の一部は強風域に入ったとみられる。次第に進路を東寄りに変え、5日には本県に最接近し上陸の恐れがあるとして、長崎地方気象台は強風や土砂災害に警戒するよう呼びかけている。
 同気象台によると、最接近するのは▽五島=5日明け方▽南部、北部=同日朝▽壱岐・対馬=同日昼前-。大気の状態が非常に不安定となり、5日にかけて1時間30ミリの激しい雨が降る可能性がある。風も強まり、陸上で最大瞬間風速25メートルに達する見込み。
 台風の接近を受け、九州商船は4日、長崎と五島を結ぶジェットフォイルを全便欠航。5日も一部の便の欠航を決めた。JR九州は5日、特急かもめを上下1本ずつ運休。松浦鉄道は全線で始発から運転を見合わせる。県教委によると、4日午後5時現在、9市町が5日の小中学校の臨時休校を決定した。
 五島市南部にある小泊町の大浜漁港では、一部の漁船が船尾部分もロープで固定するなど対策がとられ、台風に備えた。船内で作業をした漁師の男性(65)は「影響はそれほど大きくないとみているが、準備はしっかりしたい」と話した。
 気象庁によると、4日未明には高知・室戸岬で1時間に87.5ミリの猛烈な雨、朝には宮崎市で61.5ミリの非常に激しい雨をそれぞれ観測した。東日本や北日本には太平洋高気圧の縁から流れ込む暖かく湿った空気と上空の寒気の影響で5日にかけて大気の状態が非常に不安定になる。
 台風は4日午後9時現在、五島市の南約150キロを時速約20キロで北東に進んだ。中心気圧は996ヘクトパスカルで中心付近の最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートル。中心の東側185キロ以内と西側110キロ以内は風速15メートル以上の強風域。6日朝には温帯低気圧に変わる見通し。


© 株式会社長崎新聞社