2025年国文祭へ機運醸成 長崎県が市町などに補助金 文化資源の磨き上げ支援

 長崎県は、地域の文化資源の磨き上げに積極的に取り組む市町などを財政支援するとともに、関連イベントを総合芸術祭「ながさき国際文化芸術祭(仮称)」として一体的に国内外に発信する事業に取り組む。
 2025年に本県で開催予定の国民文化祭(国文祭)に向けて、市町がより主体的に関わっていくように促し、本番に向け県全体で機運を高めるのが狙い。従来の「長崎しまの国際芸術祭」「若者アート創造プロジェクト」を統合した後継企画として実施する。
 対象となるイベントや活動は▽住民が主体となって地域の新たな魅力を発信する音楽会や展覧会▽海外アーティストの招聘な( しょうへい )ど文化芸術による国際交流▽地域の伝統文化の再興支援-などを想定。主催者に対し市町や公的施設の指定管理者が補助金を支出する場合に、県も1件150万円を上限に市町と同額を補助する。
 6月定例県議会で可決された本年度一般会計補正予算に事業費約1800万円を盛り込んでおり、近く市町への説明会を開く。
 本年度一般会計補正予算では、国文祭開催に向け21年度から始めた県文化基金への積立金1億円や、準備費用約900万円なども計上。県は今後、有識者会議で基本構想の最終案をまとめ、今秋設立する県実行委員会で承認を得てから、国文祭の愛称やキャッチコピー、ロゴの公募などを進める考え。県文化振興・世界遺産課は「国文祭に向けて本格的に動き出す1年。多くの人が地域の文化資源の価値に気付くきっかけにしていきたい」としている。


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