福井県内で大麻取締法違反で摘発された若者が増えている。福井県警が2021年に摘発した29人のうち14人が20代以下で、今年に入り摘発された10人(5月末時点)のうち8人が20代以下となっている。県警は「年少時から繰り返しの教育、啓発が重要」として、若年層への危険性周知などに力を入れる。
県警組織犯罪対策課によると、20代以下の摘発は17、18年2人、19年9人、20年8人と推移。今年は既に8人で、若年層への広がりが顕著になっている。再犯率の高い覚醒剤と異なり、大麻は初犯の割合が高いのが特徴。20年は22人中16人、21年は29人中22人が初犯で、薬物乱用の“入り口”となっている傾向がある。
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若年層の摘発増加の背景として、インターネットで大麻の危険性を否定する誤った情報の流布のほか、誰でも手軽に大麻や栽培方法の情報を入手できることが考えられるという。
県警が、仁愛大学の学生を対象に昨年行った意識調査で、約4割の学生が学校での薬物乱用教室を契機に大麻の危険性を認識したと回答。県警は今後も小中高校や大学で薬物乱用教室を開く方針で、担当者は「大麻の危険性を正しく認識してもらい、周囲から薬物の誘いを断れるよう訴えたい」と話している。