NASA、DRONERESPONDERSと提携。緊急時の領空内自動航空安全管理システムを開発へ

NASAは、AIRT(DRONERESPONDERS)とのパートナーシップを宣言し、領空内における高度な自動航空応答を可能にする自動安全プロセスおよび手順の研究開発を行うことを発表した。

DRONERESPONDERSは、UAS(無人航空機システム)の研究分析、標準化されたトレーニングプログラムや認定制度を設けるなど、UASについての普遍的な知識を共有するために組織された運営団体。航空、緊急事態管理、公共安全など、さまざまな分野の専門家チームで構成されており、大規模な災害の準備、緩和、対応、復旧の各段階において、ミッションクリティカルなタスクを達成するために訓練しているという。

今回のパートナーシップの主な目的は以下の通り。

  • 安全指標を収集し、パターンと共通のリスクを特定するとともに、危険を防止または軽減するための解決策を提案する。
  • DRONERESPONDERSのトレーニング演習を検討し、NASAが開発した技術とプロセスとの統合の可能性を提案する。
  • データ収集と分析で得た知識を応用し、緊急時に迅速な運用対応を可能にするIn-Time航空安全管理システム(IASMS)の実装を準備する。

NASAのシステム・ワイド・セーフティ(SWS)研究者は、DRONERESPONDERSとともに、データ収集と分析を用い、緊急対応業務のための高度な自動飛行を可能にする安全管理システムを開発・実装する。緊急対応以外の航空業務にも適用可能な自動飛行の実証も行う予定としている。

NASAシステムワイドセーフティープロジェクトマネージャーのMisty Davies氏は次のようにコメントしている。

Misty Davies氏:NASAは、災害に対する国家の対応を改善することで、社会に直接的な利益をもたらすために活動しています。

また、これらの運用から学ぶことで、将来的に革新的な航空運用を可能にしたいと考えています。より革新的で、ますます自律的な航空車両が空域に進入するにつれ、安全監視、評価、緩和の調整と自動化は、航空の安全性能を維持、あるいは向上させるために不可欠となるでしょう。これは、NASAの研究と計画の初期段階から携わるDRONERESPONDERSのような公共安全の専門家の助けなしには不可能であることを、私たちは知っています。

AIRT(DRONERESPONDERS)の創設者兼ディレクターで、元消防署長のCharles Werner氏は、次のようにコメントしている。

Charles Werner氏:私たちのチームは、NASAと提携することに興奮しています。公共安全を進歩させる新しい技術の一部になる機会を与えてくれるのです。

▶︎NASA

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