【マレーシア】蔦屋書店が東南アジア進出[商業]

首都に1号店、10年で55店目指す

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「蔦屋書店」の東南アジア諸国連合(ASEAN)1号店が7日にオープンする=5日、クアラルンプール(NNA撮影)

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、東京都渋谷区)と双日は7日、マレーシアの現地企業とのフランチャイズ(FC)契約を通じて、同国の首都クアラルンプールに高級業態の複合型書店「蔦屋書店」をオープンする。東南アジア諸国連合(ASEAN)への出店は初めて。向こう10年で大衆市場向けの書店「TSUTAYA BOOKSTORE」を中心に、マレーシアで55店の出店を目指す。

ASEAN1号店となる「ブキット・ジャリル蔦屋書店」は、昨年12月にクアラルンプール南部に開業した国内最大級の商業施設「パビリオン・ブキジャリル」の2階に入居する。オープン初日となる7日は、午後3時から一般客を受け入れる。店舗面積は2,650平方メートル超。「キッズ」「アート」「読み物」「ライフスタイル提案」の4つのテーマに分け、英語、中国語、マレー語、日本語の書籍24万冊以上を取り扱っている。

「Cultivate Lifestyle & Culture(ライフスタイルと文化を養う・深める)」をコンセプトに、日本人が監修するカフェを併設し、飲食をしながら購入前の書籍や雑誌を読むことができる。書籍のほか、TSUTAYAのオリジナルブランドを含む文具・雑貨や日本の伝統工芸品、日本およびマレーシアで活躍するアーティストの商品や作品なども展示・販売している。

20~40代のニューファミリー層(夫婦およびその子どもたち)をメインターゲットとしている。キッズスペースには2万冊以上の児童書を取りそろえ、マレーシア最大規模だという。

カルチュア・コンビニエンス・クラブと双日の合弁会社ツタヤ・ブックス・マレーシアの上本英之最高経営責任者(CEO)は、ASEAN初の出店先としてマレーシアを選んだ理由について、「1人当たり国内総生産(GDP)がASEANで3番目に高く、今年は5%以上の経済成長率が見込まれている。貧富の差も比較的小さく、生産年齢人口は2050年まで増えていくと予測されており、商機があると判断した」と説明した。

ツタヤ・ブックス・マレーシアの上本最高経営責任者(CEO)=5日、クアラルンプール(NNA撮影)

また、英語の書籍をメインに取り扱っていることから、英語が公用語になっていることも理由の一つとしている。「1人当たりGDPでASEAN首位のシンガポールと比べると固定費を抑えやすいことも決め手となった」(上本氏)という。

ブキット・ジャリル蔦屋書店には5月に、アインホールディングス(札幌市)と丸紅が、ドラッグ・コスメティックストア「アインズ&トルぺ」の海外1号店をオープン。蔦屋書店の「美容」コーナーに隣接し、両店をそのまま行き来できる構造になっている。

■地方都市への出店も計画

ツタヤ・ブックス・マレーシアは、向こう10年でマレーシアで蔦屋書店5店、TSUTAYA BOOKSTORE50店の出店を目指す。上本氏によると、クアラルンプールのほか、ペナンやジョホールバルといった地方の主要都市など、マレー半島を中心に店舗網を拡大していく計画という。

マレーシア以外のASEAN諸国への出店については、「現時点で具体的に発表できることはないが、各国のFC契約先となり得る企業から出店のオファーを受けており、出店の可能性は十分にある」とした。

カルチュア・コンビニエンス・クラブは、アジアへの出店を積極的に行っている。現在、台湾でTSUTAYA BOOKSTOREを7店、中国ではTSUTAYA BOOKSTOREのほか、蔦屋書店を4店展開している。ブキット・ジャリル蔦屋書店は、蔦屋書店の海外5号店となる。

【左】キッズスペースには5歳以下を対象とした絵本を中心に児童書を取りそろえている【右】文具コーナーではマレーシアの消費者に人気の日本メーカーのボールペンなどを販売している=5日、クアラルンプール(NNA撮影)

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