参院選長崎選挙区 山本氏着実・無党派層にも浸透/白川氏・知名度、票につながるか 長崎新聞世論調査

(写真右から)山本啓介候補(自民・新) 山田真美候補(維新・新) 大熊和人候補(N党・新) 安江綾子候補(共産・新) 白川鮎美候補(立民・新) 尾方綾子候補(諸派・新)

 10日投開票の参院選長崎選挙区(改選数1)には届け出順に、いずれも新人で、自民の山本啓介候補(47)、日本維新の会の山田真美候補(50)、NHK党の大熊和人候補(52)、共産の安江綾子候補(45)、立憲民主の白川鮎美候補(42)、政治団体「参政党」の尾方綾子候補(47)が立候補している。長崎新聞社は2~5日に実施した電話世論調査を基に、終盤情勢を取材も加味して分析。
 自民の山本氏は、今期限りで引退する現職の金子原二郎農相の後継として立候補。保守分裂となった2月の知事選の影響が懸念されたが、分厚い党組織網を生かして県内各地をくまなく回り党内融和に腐心。党勢が伸びない野党を尻目に、着実に支持を集めているようだ。
 自民支持層の約8割をまとめ、支持政党がない「無党派層」の約3割にも浸透。国民民主支持層の2割強にも食い込んでいる。ただ連立政権を組む公明支持層ではやや広がりを欠き、約4割にとどまっている。
 各年代でも3割強~5割弱が支持。職業別では農林水産業の5割強、自営・自由業の約5割、専業主婦(夫)の4割強、正社員・正職員の約4割をまとめた。地域別でも都市部の長崎、佐世保両市を含め県下全域で優勢を保っている。
 参院選再挑戦となった立民の白川氏は、3年間の活動期間を経て知名度は一定高まったとみられる。県内最大の労働団体、連合長崎を中心に労組と野党が支援しており、最終盤の巻き返しに向け知名度を票に結び付けられるかどうかが鍵になりそうだ。
 立民支持層の8割強、国民支持層の約7割、社民支持層の9割強は固めた。一方で無党派層の支持は2割だった。年代別では18歳~20代と70歳以上でそれぞれ2割強に浸透し、それ以外は2割を切った。職業別では専業主婦(夫)が2割強と多く、正社員・正職員が約2割、農林水産業が2割弱だった。地域別では地元の佐世保市を含む衆院長崎4区は1割強の支持にとどまったが、1~3区は2割前後とやや高かった。
 維新の山田氏は維新支持層の6割強に浸透。契約社員・アルバイトなどの約2割、自営・自由業の1割強がそれぞれ支持する。共産の安江氏は共産支持層の6割強をまとめた。N党の大熊氏、参政党の尾方氏はともに苦しい。

◎調査方法

 2~5日の4日間、県内の有権者を対象に年齢別、男女別、市町別人口比に配慮し、コンピューターで無作為に電話番号を発生させてかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施。電話帳に番号を載せていない人も調査対象となる。実際に有権者がいる世帯にかかったのは1046件で、うち817人から回答を得た。


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