コロナと熱中症 似た症状に医療現場は苦慮

東京都内の新型コロナウイルスの新たな感染者がおよそ2カ月ぶりに5000人を超えました。さらなる感染拡大が懸念される中、症状が似ている熱中症の患者も急増していて、医療の現場は対策に苦慮しています。

都内で7月5日、新たに確認された新型コロナの感染者は5302人で、18日連続で前週の同じ曜日の人数を上回りました。都内で1日の感染者数が5000人を超えるのは4月28日以来、およそ2カ月ぶりです。夜間や休日などに患者の自宅で訪問医療を行う医師は、このところ、新型コロナの患者が明らかに増加していることを実感しているようです。訪問医療を行うファストドクター代表の菊池亮医師は「PCR検査の陽性率は6月初旬は20%未満だったが、先週になって30%、直近では40%に急増している。市中での感染が拡大していることを示唆している」と話します。また「若い世代の患者が多く見られる。年齢別に見ると20歳までの患者で約4割を占めている」といいます。

"第7波”が懸念される今、もう1つの懸念が生まれています。今後も厳しい暑さが予想され、熱中症にも十分な警戒が必要ですが「発熱」や「頭痛」など新型コロナと症状が似ていることもあり、慎重な診断が必要となっています。菊池医師は「症状だけでは判断がつかないケースも多い。発症までのエピソードや検査などを踏まえて、感染症なのか熱中症なのかを診断する。いずれも疑いながら治療を開始するケースも少なくない」と話します。

東京消防庁によりますと、6月の1カ月間で1517人が熱中症の疑いで搬送されていて、前年に比べておよそ6倍となっています。また、東京都監察医務院によりますと、6月26日から7月2日の1週間で熱中症による死者が44人確認されたということです。さらに3日は10人、4日は15人の死亡が確認されています。この夏、新型コロナと症状が似ている熱中症、両方の対策が必要です。

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