世界中で研究や開発が過熱する次世代型モビリティ「空飛ぶクルマ」の実用化につなげようと、民間企業が、広島・福山市で実証実験をしました。
杉木健那記者
「福山市のビーチに用意されたのが、全長およそ6メートルの空飛ぶクルマ実験機です。中には2人分の座席があり、操縦かんはなく、シンプルな作りとなっています」
空飛ぶクルマは、電動で垂直に離着陸する次世代型モビリティで、新たな移動手段として、世界中で開発や研究が進められています。
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「ただ今より試験飛行を行います」
実証実験は、東京の大手建設コンサルタント会社「長大」などが企画しました。実用化に向けて騒音など環境への影響を検証しようと、山や海に囲まれた福山市内海町のシーパーク大浜で実施されました。
現在は、法の整備を進めている段階で、まだ人を乗せることはできません。遠隔操縦された無人の機体が、上空30メートル付近まで上昇し、時速35キロ前後でおよそ300メートルを飛行しました。
長大(人・夢・技術グループ) 菊地英一執行役員
「海上という形で陸から離れて飛んでみて、ルール的に制約的に問題がないかというところが、今回、初めてトライした大きな部分かと思います」
実用化されれば、過疎地域での交通手段や災害救助、人やモノの輸送サービスなど、さまざまな分野での活用が期待されています。
一方で、法整備のほか、コスト面や安全性の確保といった課題も多くあります。
今回の検証内容は、「空飛ぶクルマ」の実現に向けて取り組む官民連携の協議会で報告されるということです。
長大 菊地英一執行役員
「いろんなニーズを受けて、そこにどう飛ばすのか、しっかりイメージした実験というのが必要かなと。街づくりの1つの手段としてわたしたちは展開していきたいなと思います」
「空飛ぶクルマ」は、2025年に開催される「大阪・関西万博」での導入が検討されています。