東京パラリンピックで日本チームが5位に入賞したブラインドサッカー。今シーズンからは国内に新しいリーグが設立されます。この競技の魅力を多くの人に知ってもらおうと静岡県内で活動するチームがいま、普及活動に力を入れています。
7月2日、浜松市の大型商業施設でブラインドサッカーの体験会が行われました。
<ブラインドサッカー体験会>
「はい、ドリブルドリブル、止めてOK。うまい」
「どういう風にして分かった?」
「音」
「どんな音がした?」
「マラカスみたいな音」
ブラインドサッカーは、転がると音の出るボールを使って、目が不自由な人も健常者もプレーできるように考案された5人制サッカーです。
<FCコレチーボ静岡 中村昌之主将>
「魅力は僕らみたいな目の見にくい人、目の見えない人と健常者の方と一緒になってできるスポーツ」
<FCコレチーボ静岡の練習>
「声出して、ボイ、ボイ」
「FCコレチーボ」は3年前、浜松市に誕生しました。「コレチーボ」はポルトガル語で「一緒に力を合わせる集団」という意味です。
健常者の選手と目に障害がある選手。メンバーはあわせて13人です。最年少は地元の小学校に通う6年生の男の子です。お互いをニックネームで呼び合い、年齢は関係なく和気あいあいとした雰囲気です。
取材したこの日、高校3年生の田尻雄大さんが練習に体験参加しました。
田尻さんは中学生の時、脳の病気で視覚障害が残りました。それまでサッカー部で活躍していましたが、大好きなサッカーを断念せざるをえませんでした。
田尻さんにとって運命の出会いだったかも知れません。
<田尻雄大さん>
「自分が今までやっていたサッカーと一味違う。感じ方とか考え方というか違ったのですごく楽しかったです」
では、「コレチーボ」は普段どんな練習をしているでしょうか。
<FCコレチーボ静岡の練習>
「ゴー、声出して」
選手同士がぶつかるのを避けるため、常に声を掛け合います。
これはお互いのポジションを把握しながら、ボールをパスする練習です。
<FCコレチーボの練習>
「大樹、2番行きます。まさかず、2番行きます。4番空いた」
ブラインドサッカーを体験することで、視覚障害者への理解やコミュニケーションの取り方も学ぶことができます。
<清水英之記者>
「いや本当にまっすぐ立ってるのも難しいですね」
ブラインドサッカーは、今シーズン大きな転機を迎えます。トップリーグ「リーガアイ」が新設されました。その開幕戦が7月、浜松市で行われます。
<FCコレチーボ静岡 中村昌之主将>
「もっともっと試合の経験を増やして日本選手権とか、トップリーグとかそこに出られるように力をつけていきたいと思います」