神奈川県内へ本社移転相次ぐ 「脱東京」、各社の狙いは

いすゞ自動車が新本社を構えたMM21地区の「横濱ゲートタワー」=横浜市西区

 都内から神奈川県内に本社を移す企業が相次いでいる。各社は製造拠点や事業現場との距離を縮め、生産性の向上を図る狙いだ。新型コロナウイルス禍でテレワークが普及し、「東京一極集中」だった本社の立地は自由度が増している。県内移転の流れは、今後も続くのか-。

 商用車大手のいすゞ自動車は創業の地である東京・大森から、横浜・みなとみらい21(MM21)地区の新たな複合オフィスビル「横濱ゲートタワー」に本社を移転。5月に業務を開始した。

 主要生産拠点の「藤沢工場」(藤沢市)に近づくことで、業務効率が高まると判断したという。担当者はさらに、多業種の研究開発拠点が集積するMM21地区の魅力が、移転を後押ししたと説明する。「他社との協業によってイノベーションを起こし、自動車業界の変革期を乗り切りたい」

 タイヤメーカー大手の横浜ゴムは、来年3月末までに東京・新橋の本社を「平塚製造所」(平塚市)に移転、統合する。企画や生産、販売、物流などの機能を平塚に集約。現本社に勤務する約千人の大半は新本社に籍を移し、意思決定の迅速化を図る。

© 株式会社神奈川新聞社