夜の海辺 亡き母への思いを込めて「夢で逢えたら」歌う少女 「ぜんぶ、ボクのせい」本編映像

8月11日より劇場公開される、自主制作映画「NOISEノイズ」などで知られる松本優作監督の最新作「ぜんぶ、ボクのせい」から、本編映像の一部が公開された。

主人公の優太(白鳥晴都)は、児童養護施設から抜け出し、やっとの思いで母親に再会したものの、同居する男に依存し自堕落な生活を送る母親から家を追い出されてしまう。絶望した優太は、当てもなくたどり着いた海辺で、軽トラで暮らすホームレス・坂本(オダギリジョー)と出会い、寝食をともにするようになる。そしてある日、優太は少女・詩織(川島鈴遥)と顔見知りになる。夜の海辺で互いの夢の話をする2人。詩織は「たくさんの人に希望を与えられるような歌手になりたい」と、亡くなった母親から 歌を教えてもらっていたことを明かす。優太は詩織に歌を聞きたいと頼む。

映像では、そんな詩織が、母親が大好きだった大滝詠一の「夢で逢えたら」を歌う姿が切り取られている。その曲は、詩織が母親へ抱く切ない心情を代弁し、母親に見捨てられた優太の傷心を癒すかのように響く。歌い終えた詩織は、照れながらほほ笑みを見せる。

松本監督は、詩織役を選ぶにあたって決め手になったのは、この海辺で歌うシーンだったと語っている。「すごくうまいけどプロっぽく見えない。そういう僕が抱いていたイメージにぴったりの歌を、オーディションで歌ってくださったのが川島さんでした。彼女は声がすごくいいんですよ」と、川島を起用した理由を明かしている。

「ぜんぶ、ボクのせい」は、孤独を抱えた3人の絆と1人の少年の成長を描いた作品。児童養護施設で母の迎えを待つ優太は、母の居場所を知る。施設を抜け出して母の元に向かった優太だったが、そこにいたのは同居する男に依存して自堕落な生活を送っている母の姿だった。絶望した優太は軽トラで暮らすホームレスの男・坂本と出会い、2人はわずかな金銭を稼ぎながら寝食をともにする。そして2人は、裕福な家庭に育つものの家にも学校にも居場所がない少女・詩織とも顔見知りとなる。優太は、自分と同じ寂しさを抱えながらも心優しい詩織に惹かれていく。

優太役で主演を務めるのは、オーディションで選ばれた新人の白鳥晴都。オダギリジョー監督「ある船頭の話」でヒロインに抜擢された川島鈴遥が、詩織を演じる。また、オダギリジョーが軽トラで暮らすホームレスの坂本を演じるほか、若葉竜也、仲野太賀、片岡礼子、木竜麻生、駿河太郎が顔をそろえる。監督は、2019年の秋葉原無差別殺傷事件をモチーフに、絶望の中に生きる若者たちと大人たちの姿を描いた「NOISEノイズ」などで知られる、松本優作が務めている。

【作品情報】
ぜんぶ、ボクのせい
2022年8月11日(木・祝)より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開
配給:ビターズ・エンド
© 2022『ぜんぶ、ボクのせい』製作委員会

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