県水産研究所が無許可で水質調査 瀬戸内海 玉野海保が容疑で捜査

岡山県庁

 岡山県は7日、県水産研究所(瀬戸内市)が必要な許可申請をせずに瀬戸内海で水質調査をしていたと発表した。記録が残る2017年度以降、県沿岸の6地点で計372回に上り、同研究所の認識不足が原因という。玉野海上保安部が港則法違反容疑で捜査している。

 港則法は海上の安全確保のため、船舶の通行量が多い港内などで作業をする場合は海保への事前申請を義務付けている。今回の違反に伴う船舶事故などは生じていないという。

 県によると、調査は海域の漁場環境やノリの栄養塩に関するもので、計41地点で年492回実施。このうち水島港や岡山港の海域内の6地点は許可が必要なエリアだった。同研究所はいかりを下ろさずに2、3分で終わる調査に許可が求められるとの認識はなく、関係機関への確認も怠っていたという。

 今年2月、水産庁主催の全国会議で広島県から同様の事例が報告され、内部調査を進めていた。一部地点では1972年から調査を行っており、当時から無許可だった可能性が高い。同研究所は「職員研修の実施などで再発防止策を徹底する」としている。

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