スイカ空中栽培、季節外れのフジ 東備地域 暑さ忘れる珍風景

竹内さんが“空中栽培”に取り組むスイカ。実が宙に浮いたような不思議な光景だ

 連日、うだるような暑さが続く岡山県東備地域。それを忘れさせる和みの風景がある。“空中”で育つスイカ、季節外れのフジの花…。映える写真を見て、心は涼やかに、ほっと一息ついてみては―。

宙に浮くスイカ 和気・竹内さん栽培

 丸々としたスイカが宙に浮いている!? 和気町、竹内敬一さん(71)が菜園で実をつるして育てる“空中栽培”に取り組み、近所で静かな話題となっている。

 自宅近くの畑に高さ約2メートルのアーチ(幅1.5メートル、奥行き10メートル)をつくり、小玉のスイカ計4本のツタをはわせた。そこから50個前後の実ができて垂れ下がり、なんとも不思議な光景が広がる。

 大きいものは直径30センチにもなる。地面に落ちないよう、実にネットをかぶせて、ひもでつるしている。今月中旬にかけて成長のピークを迎えるという。

 竹内さんは毎年、家庭用にスイカを栽培してきたが、イノシシなどに食い荒らされる被害に相次いで遭い、今シーズンから空中栽培に挑むことにした。「スイカは孫の好物。味も風景も楽しんでもらいたい」と話す。

今年2度目フジ開花 瀬戸内・櫻井さん方

 瀬戸内市、櫻井久恵さん(79)方の庭で、フジが今年2度目の花を咲かせた。薄い青紫の花が垂れ下がり、清涼感を演出。櫻井さんは「夏にこんなにたくさん花を付けたのは初めて」と驚いている。

 櫻井さんは20年ほど前、西大寺観音院(岡山市東区)で裸祭り「西大寺会陽」の翌日から開かれる「会陽あと祭り」でフジの苗木を買い、大切に育ててきた。毎年5月ごろに開花していたが、3年ほど前から7月にも1、2房が咲くようになったという。

 今年は3日に2度目の開花を確認。6日現在で6、7房が花を付け、数房がつぼみの状態となっている。

 県自然保護センター(和気町田賀)は「フジは夏に咲く種類もあるが、2度咲くというのは珍しい。小雨や夜の冷え込みといった気候の影響が考えられる」としている。

櫻井さん方で開花したフジ

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