大手予備校河合塾は6月22日、福井県内の高校教員を対象にした第1回大学入試情報分析報告会を開き、2023年度入試の最新動向について説明した。
志望動向は5月に実施した第1回全統共通テスト模試の受験者22万人超（前年比99％）のデータを基に分析。受験者数に対して国公立大学（前期）の志望者は前年比99％、私立大学は98％で、同塾の担当者は「前年と大きな差はみられない」とした。
私立大学の志望者が前年比98％なのに対し、早稲田大学・慶應大学・上智大学・東京理科大学（早慶上理）や、明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学（MARCH）、関西学院大学・関西大学・同志社大学・立命館大学（関関同立）など難関大学グループの志望者は前年比100％を超え、増加傾向が見られた。
学部系統別でみると、文系では法・政治が前年比106％、理系では農学系が104％で志望者が増加しており、国公立大の志望者と同じ傾向が見られた。医療系は今春入試と同様に人気が高く、医学は108％、薬学が107％だった。
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2023年度の受験環境は…
18歳の人口は、減少期に入る前の2017年度から23年度までに約10万人減少する。大学志願者数も減少が続く一方で、大学や学部の新設、私立大学の収容定員増などで大学全体の入学定員は増加傾向にあるという。東京大学や京都大学といった難関大学を含めて既卒生の減少も目立っていることから、競争緩和は22年度入試以上に進むとみている。
情報分野の人材需要の高まりを受け、引き続きデータサイエンス系学部の新設も進む。国公立大学の傾向と同様に、私立大学でも一気にデータサイエンス系の学部・学科が誕生する予定だ。来春には福井県の福井工業大学をはじめ、東北学院大学や亜細亜大学、東京都市大学、京都女子大学などで新設される予定。河合塾の担当者は「大学によって学ぶ内容は大きく異なるため確認が必要」と呼び掛ける。
首都圏の難関大学では、早稲田大学（教育）が共通テスト併用方式を、青山学院大学が共通テスト利用型を、上智大学が共通テスト3教科型を導入するといった動きがあり、入試の複線化が注目される。
⇒【大学入学共通テスト2022】主な大学のボーダーライン一覧
私立大学の志望動向
学部系統別の志望動向
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