アメキャラ系映画ライター・杉山すぴ豊解説&考察!『ソー:ラブ&サンダー』予告編のココに注目

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「(再会は)3、4年ぶり?」と問うジェーンに、ソーは「8年7 ヶ月と6日だ」と日数まで正確に回答

毎回予告編から大きな話題を提供してくれるMCU作品。『ソー:ラブ&サンダー』の予告編にも物語を読み解く上で大事なヒントや小ネタが。アメコミ・ライターの杉山すぴ豊さんに2つの予告編(特報本予告)を徹底解説してもらいます。(文・杉山すぴ豊/デジタル編集・スクリーン編集部)

今回の作品で“マイティ・ソー”となるのはジェーン

MCUの中で単独映画が4作まで作られるのはソーが初めて

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』と大ヒットが続いて、絶好調のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)! そしてこの夏、いよいよ『ソー:ラブ&サンダー』がやってきます。

クリス・ヘムズワース演じるソー映画第4弾。MCUの中で単独映画が4作まで作られるのはソーが初めて。いかにソー人気が高いか、よくわかります。リリースされた2つの予告編からその内容について予測していきましょう。

まず注目なのは、今回の作品で“マイティ・ソー”となるのはクリヘムではなく、ナタリー・ポートマン演じるジェーンだということ。予告でもジェーンがムジョルニアを手にソーのようになっていますよね。このジェーンが“マイティ・ソー”なのです。コミックではジェーンが癌になり自身は病気と闘いながら女ソーとしても活躍するエピソードがありそれをベースにしていると思われます。

ナタリー・ポートマンが“マイティ・ソー”として登場

それにしてもドラマ「ホークアイ」で2代目ホークアイがケイト・ビショップという女の子だったり、ペギー・カーターが超人血清でキャプテン・カーターになったり、もうすぐドラマでハルクの従妹シー・ハルク、アイアンマンの意志を継いだ少女アイアンハートが登場と“女性版”ヒーローが続々MCUには登場ですね。

神様というのはMCUのこれからのキーワード

今回は“ヒーロー卒業”を宣言したソーが自分探しの旅へ

予告編で気になるのはラッセル・クロウ。彼は本作でギリシア神話の神ゼウスを演じます。マーベルの世界では様々な神話の神様がキャラとして登場します。そもそもソーも北欧神話です。

したがってギリシア神話の世界がMCUに出現してもおかしくありません。実際映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)では神秘の村ター・ロー伝説で中国の神々の存在が示唆されるし、ドラマ「ムーンナイト」はエジプトの神々の物語でした。神様というのはMCUのこれからのキーワードです

クリスチャン・ベール演じるゴアはMCU最強ヴィランになりそうな予感

それを裏付けるかのように今回の『ソー:ラブ&サンダー』のメイン・ヴィランはクリスチャン・ベール演じるゴア! 予告でもその姿がついにお披露目になりました。

巨漢なサノスとかに比べスリムですがなんともいえぬ不気味さをただよわせています。やはりこれはクリスチャン・ベールならではのオーラ。歴代MCUの中でも最強ヴィランになりそうな予感。それにしてもDCでヒーロー(バットマン)を演じてきた彼を、今回ヴィランに起用とは! MCUのキャスティング・センス、恐るべしです。

このゴアはゴア・ザ・ゴッド・ブッチャーとの異名があり、“神殺しのゴア”という意味です。したがってこのゴアがMCUにいる様々な神様たちを殺そうとする。それに対しソーや神々が結集し立ち向かうという、神様版アベンジャーズ的な展開になるのかもしれませんね?

よーく見るとソーの背中にロキのヘルメットのタトゥー?

とはいえ“神殺し”というとおだやかではないですが、 “ラブ&サンダー”という楽し気な副題。監督は前作に引き続きタイカ・ワイティティだから、ポップな宇宙活劇に仕上がるでしょう。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)の流れからもわかるようにガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々も活躍します(といってもこの予告から推測するに彼らの出番は前半かな?)。予告編映像だけでも笑えるシーンが結構ありますから。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』でサム・ライミ節が炸裂したように、今回もタイカ・ワイティティの個性が全開でしょう。

マニアックなポイントをあげるとゴアが手にする剣。これはおそらく“オール・ブラック”という剣で、闇の神ヌル(KNULLと綴ります)が作ったもの。そしてこの剣は最初のシンビオート、つまりヴェノムの“先祖”なのです。ここでヴェノムとつながる!?

さらにジェーンが謎の寺院みたいなところにいますが、ここでの石像の一つがMCUアニメ「ホワット・イフ...?」に登場した、マルチバースの監視人ウォッチャーです。

「(再会は)3、4年ぶり?」と問うジェーンに、ソーは「8年7 ヶ月と6日だ」と日数まで正確に回答

またジェーンとソーの会話の中で、会うの何年ぶり?の認識が違いますが、これはジェーンがサノスの指パッチンで5年間消えていたからでしょう。つまりジェーンにとって3年ぶりの再会だとしてもソーにとっては8年ぶりなのです。

ソー映画でロキとの再会も期待したいところ。ソーはロキ(正確にいうとロキの変異体)が“生きている”ことを知りません。ソーにとってロキは死んでいるのです。この予告の中でソーが素っ裸にされるシーンで、よーく見るとソーの背中にロキのヘルメットのタトゥーらしきものがあります。ソーのロキに対する想いが伝わります。ソーにロキを会わせてあげたいですね。

いかがだったでしょうか? MCUは必ず予告で見せた以上の驚きをみせてくれるので、『ソー:ラブ&サンダー』がいかなるサプライズをもたらしてくれるのか楽しみです。

【チェックポイント】

1:クリス・ヘムズワース制作秘話

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)からシェイプアップ&ビルドアップして登場するソー。その最強の肉体を作り上げるため、クリス・ヘムズワースは1日8回もの食事と過酷なトレーニングを敢行。結果、体重105キロ(231ポンド)という“過去最大の体格”に。

2:クリスチャン・ベール制作秘話

『ダークナイト』3部作以降、ヒーロー映画・シリーズ映画への出演を避けてきたクリスチャン・ベール。そんな彼に出演を決意させたのはタイカ・ワイティティ監督の存在と脚本の質の高さだったという。本作には彼を含め(少なくとも)3人のオスカー俳優が出演。

3:ナタリー・ポートマン制作秘話

クリス・ヘムズワースに負けず劣らずの肉体改造に挑んだのは今回電撃復帰するナタリー・ポートマン。予告編でも彼女のマッチョな上腕二頭筋が確認できるが、これはCGなどではなく、じつに撮影の4か月も前から撮影中まで継続したトレーニングの賜物だ。

©Marvel Studios 2022

ソー:ラブ&サンダー
2022年7月8日(金)公開

アメリカ/2022/ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:タイカ・ワイティティ
出演:クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマン、テッサ・トンプソン、クリスチャン・ベール、タイカ・ワイティティ
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