全身が黒い毛で覆われているのが特徴のアマミノクロウサギの足先だけが白くなった個体が鹿児島県奄美大島中部の山中で見つかった。徳之島では「白足袋」と呼ばれ、目撃例があるが、奄美大島ではまれ。自然観察の愛好家やガイドの間で話題になっている。
体長30センチほどで、左前足が白く覆われ、右前足の爪の根元も白い毛が生えている。6日夜は道路を横切ったり、路肩に生えたシダの葉を食べたりしていた。
奄美大島では足や頭、首の一部が白い個体が目撃されている。元環境省自然保護官補佐の木元侑菜さん(31)は「それでも年1回あるかないか」。足の広い範囲が白い個体はさらに少ないという。
アマミノクロウサギは奄美大島と徳之島に生息する固有種で国指定特別天然記念物。沖縄大学の山田文雄客員教授(69)=動物学=は「希少生物のため未解明な点が多い。白化の研究はされておらず地域差なのか突然変異なのか分からない」と話した。