栃木県内334人感染、前週の3倍 国内「第7波」懸念 新型コロナ

栃木県内の新型コロナウイルス感染者数(7日発表分)

 栃木県と宇都宮市は7日、新たに計334人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。新規感染者数が300人を超えるのは5月24日以来、約1カ月半ぶり。前週の同じ曜日の112人から約3倍に跳ね上がった。国内では計4万7977人。4万人を超えるのは2日連続で前週から倍増した。

 県内の新規感染者は10歳未満~90歳以上の男女で、40代以下が約8割を占める。野木町内の高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生し、入所者8人と職員1人の感染が判明した。県内の累計感染者数は9万5349人となった。

 県感染症対策課は「10歳未満から20代が感染の中心で、その親世代にも感染が広がっている」としている。入院者49人、宿泊療養者162人、自宅療養者(療養先調整中含む)1322人、重症者0人。

 国内では多くの地域で増加傾向が続き、流行「第7波」への懸念が強まっている。東京都の小池百合子知事は7日、都庁で開催されたモニタリング会議で「第7波に入ったとも考えられる」と述べた。

 一方、木原誠二官房副長官は同日の記者会見で「現時点で都道府県からまん延防止等重点措置の要請はなく、行動制限を行うことは考えていない」と述べた。現状では重症者はさほど増えておらず、病床も逼迫(ひっぱく)していないことが背景にあるとみられる。

 感染者の都道府県別の内訳は、東京8529人、大阪4615人、神奈川3130人など。鳥取と佐賀でそれぞれ過去最多となった。都のモニタリング会議では、現在のペースで増え続けた場合、4週間後には7日間平均が約5万5千人に上るとの試算結果が報告された。

 厚生労働省によると、全国の重症者数は前日から1人減って67人だった。現在、重症者が大きく増える傾向にはないが、BA・5は感染やワクチンによってできた免疫をかいくぐる能力が高まっているとされ、高齢者に感染が広がると第6波のように重症者が急増する恐れがある。

 【7日の県内市町別感染者数】宇都宮市105人、足利市38人、鹿沼市25人、小山市20人、佐野市、那須塩原市各19人、栃木市16人、下野市15人、日光市、真岡市各11人、上三川町9人、矢板市7人、さくら市6人、那須烏山市5人、大田原市、壬生町、野木町各4人、益子町3人、高根沢町、那須町、芳賀町、茂木町各2人、那珂川町、市貝町各1人、県外3人

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