夏本番、冷たいものが恋しい季節がやってきた。見た目が華やかで目を楽しませ、食べてももちろんおいしいスイーツを見つけた。(共同通信=中村彰)
和のテイストを加味した東京・広尾のイタリア料理店「ai’s(アイズ)」は週末限定のスイーツ専門のカフェ「Orso Bianco(オルソビアンコ)」を7月にスタート。シェフパティシエの加藤章宏さんが腕を振るう。店名はイタリア語でシロクマを意味する。加藤さんのニックネームが由来だ。
「週末だけオープンするぜいたくなおやつ屋さん」がコンセプト。スイーツの中に物語性を込めるのが特徴だ。「季節のパフェプレート」は月替わりで、7月は「“桃色”くまプレート」で勝負をかける。
「川を流れる桃のスイーツ」をイメージし、木のプレートに白ワインとブルーキュラソーのジュレを敷き詰めて川を表現。メインの「桃のパフェ」はライチのソルベやカスタードに包まれた桃のコンポートを、ウエハースのような桃のチュイールやバニラのメレンゲ、ジャスミンの泡が隠している。「もったいない」と思いつつ、スプーンでチュイールを割り、コンポートを口に入れると濃厚な桃のうまみと香りがあふれ出る。
桃を使ったエクレア、パンナコッタ、タルティーヌ、ヌガーグラッセのどれもが繊細な作りと味わい。全てに山梨県笛吹市一宮の厳選した桃が使われている。
右の隅には代表的な和菓子の一つ、練り切りが。桃の形で爪先ほどの小さなものだが、中にはあるものが隠れている。これは食べてのお楽しみだ。
ほかに高知県産銘柄メロンを半玉使った「かき氷 一果相伝マスクメロン」(3520円)、「大人の“白桃”パフェ」(2640円)、「白くまさんのパンケーキ」(1980円)、「フォアグラフレンチトースト」(2200円)などをそろえている。
7月の営業日は17、18、24、30、31日を予定。8月はマンゴーやオレンジなど黄色の果物での展開を考えているという。
東京・浅草の名所、雷門からほど近いカフェ「くくりひめ珈琲(コーヒー)」。こちらの目玉商品は「ケーキのような」がキャッチフレーズのフォトジェニックなかき氷2点だ。
一つは「くくりひめの羽衣」(1700円)。くくりひめは縁結びの神とも言われ、「コーヒーを通してすてきなご縁が訪れるように」との願いを込めて店名にした。
まずはその巨大さに驚かされる。優に大人の顔くらいの大きさがある。
キイチゴとマンゴーのシロップで施した赤と黄色の鮮やかなグラデーションが目に映える。丸くカットしたイチゴ、ブルーベリー、マスカットなどのフルーツがちりばめられ、回しかけたホイップクリームとで着物と羽衣を表現している。
慎重にスプーンを進めるが、こぼさずに食べるのは難しい。そのため、皿の上にカップを載せての提供になる。
ザクザクと食べ続けると中にはアイスクリームが2スクープ隠れている。ちょうどいいタイミングで「味変」ができて飽きることがない。
しかし、このあたりで体が冷えてきて、寒気すら感じるようになる。すると、それに併せてセットの自家焙煎(ばいせん)の温かいコーヒーが運ばれてくる。ほっと一息ついて、無事、完食することができた。
抹茶とコーヒー、アーモンドの3種のシロップで夏の庭園をイメージした「くくりひめの夕涼み」(1700円)とともに9月上旬ごろまで提供する予定。