ホンダの元王者が約1年ぶりに土曜スプリント勝利、日曜はシボレーが制覇/STC2000第6戦

 アルゼンチンが誇る「南米最速、最高峰のFFツーリングカー選手権」ことスーパーTC2000(STC2000)の第6戦が、コルドバ州アルタグラシアの名物トラック、アウトドローモ・オスカー・カバレンで開催され、土曜スプリントでリバースポールを得たプーマ・エナジー・ホンダ・レーシングのファクンド・アルドゥソ(ホンダ・シビックSTC2000)が、自身約1年ぶりの復活勝利。続く日曜決勝は、前日予選でポールポジションを獲得したシボレーYPFチームのベルナルド・ラヴァー(シボレーYPFクルーズ)が、得意のトラックで“ライト・トゥ・フラッグ”での勝利を決めている。

 7月2~3日の週末に開催された新生『TC2000(ツーリスモ・コンペティション)』の同イベントも、引き続き旧TC2000との併催戦としてタイムテーブルが組まれると、土曜プラクティスから前年度覇者のラヴァーが最速タイムをマーク。30kgのバラストを搭載したマシンを手懐け、46回目のイベント開催を迎えた同サーキットとの相性の良さを見せつけた。

 そのまま予選に挑んだラヴァーは危なげなくキャリア通算3度目、今季初の最前列を確保し、2番手には今季デビュー7戦目にして史上最年少ポールポジションを獲得した17歳のイグナシオ・モンテネグロ(ルノー・フルーエンスGT)が、わずか0.006秒差で続くフロントロウに。

 2列目3番手に今季TOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアに加入の18歳ホルヘ・バリオ(トヨタ・カローラSTC2000)、4番手に新生アクシオンエナジー・スポーツSTC2000のエース、リオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)、そして60kgの最多バラストを搭載した王者アグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)が続くトップ5となった。

予選トップ8リバースによる12周スプリントが開始されると、8番手に喰い込んでいたホンダのアルドゥソが好機を捉える
ルノー時代にはシリーズ連覇も達成している実力者が、ホンダ・シビックとともに2021年5月以来となる今季初優勝を手にした
30kgのバラストを搭載しながら、土曜予選でポールポジションを獲得したChevrolet YPF Teamのベルナルド・ラヴァー(シボレーYPFクルーズ)

■日曜の決勝はラヴァーの独壇場

 そのまま土曜夕刻には、この予選トップ8リバースによる12周スプリントが開始されると、8番手に喰い込んでいたホンダのアルドゥソが好機を捉える。

 リバースポールの優位性を活かしてフロントロウのマティアス・ミラ(ルノー・フルーエンスGT)を抑えホールショットを奪うと、4周目に導入されたセーフティカーの混乱にも動じずトップチェッカー。ルノー時代にはシリーズ連覇も達成している実力者が、ホンダ・シビックとともに2021年5月以来となる今季初優勝を手にした。

 背後では2位にルノーのミラ、3位にTGRAのジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラSTC2000)と、スタート位置から変動なくフィニッシュラインを通過し、5位カナピノの後ろには僚友ラヴァーが浮上。日曜の決勝に向け、ともにウエイトを積んだシボレー・クルーズの好調な仕上がりを印象付けた。

 その予感どおり、日曜40分+1ラップの決勝はラヴァーの独壇場となり、10号車のシボレーは問題なくレースをコントロールし、2年連続自身4度目のオスカー・カバレン制覇を達成。ラヴァーにとってキャリア通算9勝目となり、2位にトヨタのバリオ、3位にペーニャの続く表彰台となった。

 4位に入ったルノーのモンテネグロに次ぎ、5位となった王者カナピノは、決勝終了後の再車検でテクニカルスチュワードから違反が指摘され「搭載バラストが規定重量に満たない」ことが発覚。これにより、チャンピオンに対しレース結果からの除外処分が下されることに。

 5位以降の最終リザルトは、国内自動車連盟とオーガナイザーの最終審議待ちとなり、サンテロ、ミラ、ファビアン・シャナントゥオーニ(ホンダ・シビックSTC2000)らの順位が暫定扱いに。続くSTC2000第7戦は、7月23~24日にサンタフェ州ラファエラに位置する超高速トラックで争われる。

今季TOYOTA GAZOO Racing YPF INFINIAに加入の18歳ホルヘ・バリオ(トヨタ・カローラSTC2000)は、2位表彰台を獲得した
“旧”TC2000との併催戦には大観衆が集い、日曜決勝トップ3ドライバーもファンの歓声に応えた
132点でランク首位を行くカナピノに対し、ペーニャ、サンテロのふたりが122点で追う展開に

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