安倍元首相が死去 奈良で演説中に銃撃 上越関係 高鳥氏、梅谷氏談話

 自民党の安倍晋三元首相(67)が8日午前11時30分ごろ、奈良市内の街頭演説先の路上で銃で撃たれ、搬送先の病院で亡くなった。
 参院選最終盤、選挙戦真っただ中の日本列島に激震が走った。激戦が伝えられる新潟選挙区(改選数1)で、安倍氏は6月23日、自党公認候補の応援で上越、糸魚川両市で演説を行ったばかりだっただけに上越地方でも衝撃が広がった。

自党公認候補の来援で演説する安倍氏(6月23日、上越市)

 一方、参院選に立候補している各陣営も選挙活動の対応に苦慮。活動の自粛など対応に追われた。
 森裕子氏は同日、午後からの活動を一部自粛。夕方にJR新潟駅前で予定していた街頭演説会は実施したが、野田佳彦元首相らの参加は見合わせた。小林一大氏は同日、午後から予定していた街頭演説を全て自粛し、支持者らに対する状況説明などに奔走した。
◇上越地域からも不安、怒りの声
 元首相が凶弾に倒れるという衝撃的なニュースは、瞬く間に列島を駆け巡り、上越地域の有権者からも不安や怒りの声が上がった。
 上越市内の男性(77)は「許せない暴挙。所属、支持政党に関係なく、国民全体で非難の声を上げなければ」と憤慨。同市内の女性(62)は「まさか、今の日本でこんなことが起こるとは。あってはならないことだし、萎縮してしまいそうになる」と話した。

◇上越関係議員コメント 党派超え

 自民党の高鳥修一衆院議員

私にとっては無二の政治の師でありかけがえのない人。裏表がなく誰に対しても態度を変えない威張らない人。安倍さんが独裁者だの、地球の裏側まで行って戦争する国にするだの、事実無根のレッテル貼りにもたじろがず日本を護(まも)ろうとした英雄。ご遺志を継いでまいりたい。心からご冥福を祈ります。

◇立憲民主党の梅谷守衆院議員

暴挙を強く非難する。安倍元総理が凶弾に倒れた。あってはならない事件が起きてしまった。このような形で命を落とされたことは、ただただ残念でならない。私は、このような非道な行為を最大限の言葉をもって非難する。言論によって立場の違いを乗り越えるのが民主主義であり、暴力は民主主義に対する重大な挑戦である。暴力を強く否定し、断固たる姿勢で、わが国の言論の自由を守っていく。容疑者は逮捕されたものの、このような事件が日本で起き、防げなかったことに多くの国民は不安を感じている。当局においては、速やかに背景や動機など真相を明らかにして頂きたい。国民の皆さんと、この暴挙に対する怒りを共有し、安倍元総理のご冥福を心よりお祈りする。

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