<レスリング>U20アジア選手権(バーレーン)出場の男子グレコローマン・チームが帰国

 

(取材・撮影=保高幸子)

バーレーンから帰国した男子グレコローマン・チーム

 バーレーン・マナマで行われているU20アジア選手権に出場した男子グレコローマン・チームが7月8日、成田空港に帰国した。63kg級の澤田幸明(拓大)と72kg級の菊田創(埼玉・埼玉栄高)の2選手が銅メダルを獲得した。

 前回大会(2019年)の「銀1・銅3」には及ばなかったが、藤村義コーチ(自衛隊)は「メダルの数はあまり重要視していない。この年代の選手に大切なのは経験」と強調する。藤村コーチもそうだが、「過去に全日本のトップで活躍した選手たちが、みなジュニア時代にアジアや世界で結果を残しているわけではない。いろいろな経験をすることが大切」と話し、結果ではなく、国際舞台を経験したことが貴重だったこと強調した。

銅メダルを取った澤田幸明(右=拓大)と菊田創(埼玉・埼玉栄高)

 一方で、イラン、カザフスタン、ウズベキスタンの選手たちのグレコローマンの技術には目を見張るものがあり、特にイランは「日本のシニアと同じかそれ以上に熟練の技術を持っていた。しかも、1番手ではない可能性もある。小さい頃からグレコローマンに特化してやっていることは間違いない」と見ている。大学生になってから本格的にグレコローマンに取り組むことが多い日本の選手が追いつくには、「時間が必要だと思う」と話した。

 ウズベキスタンやカザフスタンの選手も、構えからしてグレコローマンを専門でやっていることが分かるそうで、「攻守ともバランスのいい構えで、グレコローマンとしての動きになっている。グラウンドのディフェンスもしっかり教えられている。フィジカルの強さで守っているだけではなく、ずらしの技術が身についている」と分析した。

 グレコローマンの強化について、「強化委員会に持ち帰って検討したい」と話した。


澤田幸明(拓大)インタビュー

菊田創(埼玉・埼玉栄高)インタビュー

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