前竹富町長に実刑判決 那覇地裁 加重収賄、追徴1700万円

 竹富町発注の工事を巡る汚職事件で、業者側に入札情報を不正に漏らし、見返りに現金計1700万円を受け取ったとして、加重収賄や官製談合防止法違反、公競売入札妨害の罪に問われた前竹富町長の西大舛高旬被告(74)に、那覇地裁(小野裕信裁判長)は8日、懲役3年6月、追徴金1700万円(求刑懲役4年、追徴金1700万円)の判決を言い渡した。

 西大舛被告は起訴内容を認め、弁護側は執行猶予付き判決を求めていた。閉廷後、弁護人は控訴について「これから本人と話す」とした。

 小野裁判長は、町長だった西大舛被告と、工事を落札したJFEエンジニアリングの社員、同社の下請け業者らが共謀して犯行に及んだとし「官民の不正な癒着と言うべきで、入札制度の公正性をないがしろにし、社会の信頼を大きく失墜させた」と非難した。

 町議時代から業者側の接待を受け、町長就任後、安易に最低制限価格を教えたとし「見返りに受けた賄賂は高額だ。現職町長の立場を悪用して犯行を繰り返した刑事責任は重く、実刑判決は免れない」と述べた。

 事件を巡っては、西大舛被告に現金を渡したとして、贈賄罪などに問われたJFE社の下請け業者の男(69)=宮古島市=と、無職の男(75)=竹富町=の判決も行われ、下請け業者の男に懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)、無職の男に懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役2年)が言い渡された。

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