茂木氏「強い怒り」渡辺氏「非業の死」 安倍元首相銃撃、国会議員から憤りの声

安倍元首相の銃撃を受け、記者団の取材に応じる茂木幹事長=8日午後、自民党本部

 安倍晋三(あべしんぞう)元首相が街頭演説中に銃撃され死亡したことを受け、栃木県選出の与野党国会議員からは大きなショックとともに、歴代最長政権を築いた安倍氏を悼む声が上がった。選挙期間中、言論を封殺するような今回の事件に「強い怒りを覚える」「断固許さない」などと憤りが相次いだ。

 自民党の茂木敏充(もてぎとしみつ)幹事長は一報を受け、京都府内での遊説を取りやめて帰京した。党本部での緊急役員会後、50人以上詰めかけた報道陣に「強い怒りを覚える。言論が暴力に封殺されることはあってはならず、民主主義の根幹たる選挙の最中、民主主義への挑戦であり断固抗議する」と険しい表情で述べた。

 第1次安倍政権で行政改革担当相などを務めた無所属の渡辺喜美(わたなべよしみ)参院議員は「非常に残念。非業の死だ」と無念をにじませた。「一本気な政治家」と評する安倍氏とは秘書時代から親交があり、自身が6月に政界引退を表明した際も励ましの電話があったという。銃撃については「テロであり、断固許すまじ。模倣犯が出ないことを祈る」と毅然(きぜん)と語った。

 第2次安倍政権で国会対策委員長として仕えた自民の佐藤勉(さとうつとむ)衆院議員は「非常に濃密な関係を築いただけに残念だ」と突然の死を悼んだ。安全保障関連法や特定秘密保護法など、安倍氏が手がけた重要法を挙げ「何十年にわたる懸案を仕上げた。安倍さんの力がなければできなかった。高圧的、強行的に見えたが、常に妥協点を考えていた」と振り返った。

 旧民進党時代に衆院予算委員会で安倍氏と対峙(たいじ)した立憲民主党県連代表の福田昭夫(ふくだあきお)衆院議員は「凶弾に倒れ誠に残念。民主主義が壊れてしまうのが心配だ」と語った。

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